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関連文化財群(4) 毛利氏による開作のあゆみ
概要
近世、長州藩により進められた山口湾の開作に関するもので、山口湾岸の山口市南部地域(小郡・陶・鋳銭司・名田島・秋穂二島・秋穂・嘉川・佐山・阿知須)に分布します。これは近世の行政区の一つである小郡宰判の範囲にあたります。
主な構成要素
周防灘干拓遺跡のうち名田島新開作南蛮樋
安永期の干拓の際に設けられた樋門。長方形に加工した花崗岩を積み上げた堅牢な石垣の間に、ロクロによる巻き上げ方式の仕切板を設置した。海外渡来の最新技術とされたロクロ仕掛けを用いたことから「南蛮樋」と呼ばれた。
長沢池
小郡宰判の代官東条九郎右衛門が、慶安4年(1651)ごろ浅い谷を堰き止め、付近の水田と当時開作が進められていた名田島の開作地の灌漑水源として築堤したと言われている。
小郡開作経塚経塔
古開作(慶三開作、勝間田開作、延宝開作)の南端に位置する。開作地の安全を祈願して建立された。
新開作三神社
明和年中(1764~71)、藩により名田島の開作が行われ、安永3年(1774)に新開作が完成した際に創建された。
慶安開作記念碑
慶安開作完成250年を記念して建てられた石碑。
一宝家文書
防長両国の開作工事に何代にもわたって携わった一宝家の石工の棟梁としての希少な記録。