帯状疱疹ワクチン接種に係る助成制度の創設や予防接種法に基づく定期接種化を求める意見書
意見書全文
帯状疱疹ワクチン接種に係る助成制度の創設や予防接種法に基づく定期接種化を求める意見書
帯状疱疹は、過去に水痘に罹患した者が、加齢や疲労、ストレスなどによる免疫力の低下により、体内に潜伏する水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活性化することで発症するものである。
日本人では、50歳代から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症するといわれているが、コロナ禍において若年層にも拡大しているとの指摘もあり、発症部神経の損傷によっては、その後も痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる合併症に加え、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などを引き起こし、目や耳に障がいが残ることもある。また、一旦症状が治まっても再発の可能性があり、長期にわたり生活に支障を来している罹患者もおられる。
山口市においては人口の約5割が50歳以上であり、合併症や再発なども考慮すれば、市内において各種症状に苦しんでいる市民は多数に上ると考えられる。
この帯状疱疹の発症予防についてはワクチン接種が有効とされているが、全額自己負担の「任意接種」であることから数千円から数万円の費用がかかる。特に効果や持続性・安全性が高いといわれる不活化ワクチンの接種費用は高額で、ワクチン接種を諦める高齢者も少なくない。高齢社会を迎えた現在、帯状疱疹患者はますます増加することが予想され、病状による深刻な影響を積極的に予防する取組が必要である。
そこで、国においては、導入年齢に関する課題を含めたワクチンの有効性等の確認を早急に行い、帯状疱疹ワクチン接種に係る助成制度の創設や予防接種法に基づく定期接種化を強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和5年3月16日
山口市議会
意見書全文のPDFファイル
意見書の提出先
- 内閣総理大臣
- 内閣官房長官
- 総務大臣
- 財務大臣
- 厚生労働大臣
- 衆議院議長
- 参議院議長