返済不要の「給付型奨学金」の創設及び無利子奨学金の拡充を求める意見書
意見書全文
返済不要の「給付型奨学金」の創設及び無利子奨学金の拡充を求める意見書
現行の国の奨学金制度は、独立行政法人日本学生支援機構を通じて学生に貸与し、その返済金を次世代の奨学金の原資とする形で運営されている。
この奨学金制度において、平成28年度における利用者数は、大学生らの約4割に当たる132万人であり、国立大学、私立大学とも授業料が高どまりしていることや家庭からの仕送りが減少していることなどが背景となって、奨学金の受給率が上昇傾向にある一方で、非正規雇用の増などにより卒業後の収入が安定せず、奨学金の返済に悩む人が少なくない状況にある。
本市においても、進学の意欲と能力を有する学生が、経済的な理由で進学の志を断念することがないよう、大学等高等教育に進学する学生に対し、無利子の奨学金を貸与する制度を平成22年度に設け、その支援に努めているところであるが、国等による奨学金制度の一層の拡充を求めるところである。
そのような中、政府は、平成28年6月2日に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」において、返済不要の「給付型奨学金」の創設を検討することを盛り込み、8月末時点の来年度予算編成に向けた概算要求では、奨学金制度の拡充に向けた各種支援策を掲げている。
ついては、国において、学ぶ意欲のある若者が、家庭の経済状況にかかわらず進学し、安心して学業に専念できるよう、返済不要の「給付型奨学金」の創設や無利子奨学金の拡充など具体的な経済支援策として、下記事項の実現及び来年度予算の確保に向けて取り組むよう強く要請する。
記
1 奨学金や授業料減免などの支援を拡充するとともに、平成29年度を目途に「給付型奨学金」を創設すること。
2 希望する全ての学生への無利子奨学金の貸与を目指し、有利子から無利子への流れを加速するとともに、無利子奨学金の残存適格者を直ちに解消すること。
3 低所得世帯の学生について、学力基準を撤廃し、無利子奨学金を受けられるようにすること。
4 返還月額が所得に連動する新所得連動返還型奨学金制度については、制度設計を着実に進め、既卒者への適用も推進すること。あわせて、現下の低金利環境を踏まえ、有利子奨学金の金利を引き下げること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年9月20日
山口市議会
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意見書の提出先
- 内閣総理大臣
- 文部科学大臣