太陽光発電の適切な導入に向けた制度設計と運用を求める意見書
意見書全文
太陽光発電の適切な導入に向けた制度設計と運用を求める意見書
パリ協定の枠組みの下、脱炭素社会の構築が求められる中、環境負荷の削減やエネルギー安全保障等の観点から、太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーの導入拡大が必要とされている。
こうした中、再生可能エネルギー特別措置法に基づく固定価格買取制度(FIT)の施行以降、導入量は着実に増加している一方で、防災、景観、環境面における地域住民の不安や、FIT買取期間終了後には太陽光パネルが放置されるのではないかとの懸念も生じている。
本市においても、林地開発を伴う大規模な太陽光発電事業の計画や、住宅隣接地や農業振興地域における比較的小規模な太陽光発電設備の設置が進む中、事業者によっては、計画作成の初期段階における説明や情報提供を地域住民に十分行わないまま工事計画に着手しているとの指摘もあり、開発許認可の際の慎重な判断が求められている。
今後、こうした不安や懸念を払拭しつつ、地域と共生する形で再生可能エネルギーの導入を更に促進する観点から、太陽光発電の適切な導入に向けて下記の通り要望する。
記
1 再生可能エネルギー特別措置法に基づく事業計画の認定にあたり、一定規模以上の案件については地域住民への事前説明を発電事業者に義務付けるとともに、その具体的な手続きを事業計画策定ガイドラインに明記するなど、地域住民との関係構築のために必要な取組を行うこと。
2 太陽光発電設備が災害時に斜面崩落を伴う土砂災害や河川の流下阻害を誘発することのないよう、急傾斜地以外の斜面に設置される場合も含め、太陽光発電設備の斜面設置に係る技術基準の見直しを早急に行うこと。
3 発電事業終了後に太陽光発電設備の撤去及び適正な処分が確実に行われるよう、発電事業者による廃棄費用の積立ての仕組みや、回収された太陽光パネルのリサイクル方法の確立に向けた取組を進めること。
4 発電事業者の事業継続が不可能になった場合も当該事業者の責任において現状復帰がなされ、事業前の環境保護を図る措置を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
令和元年9月26日
山口市議会
意見書全文のPDFファイル
意見書の提出先
- 内閣総理大臣
- 総務大臣
- 農林水産大臣
- 経済産業大臣
- 国土交通大臣
- 環境大臣
- 衆議院議長
- 参議院議長