平成29年度空き家活用コンペティション受賞者の声(津田多江子さん)
「Cot/コットからはじまるコミュニティの創造」
平成29年度空き家活用コンペティション(以下「コンペ」)受賞者、津田多江子さんの声をご紹介します。
(※平成30年度募集時の記事を再掲しています)
Q1.普段はどのような活動をされていらっしゃるんですか?
フードエデュケイター(栄養士)
「日常」をメディアに食と地域をつなぐソーシャルデザインや、子どもの創造性を引き出すキッズキッチンを手がけています。食のフィールドからアートを考える企画運営実施を行っています。最近では2014年から2018年にかけて、山口情報芸術センター[YCAM]の事業ソーシャルメディアキッチン「Yama Kitchen」の企画運営や「Cook Hack」に携わりました。
Q2.コンペに応募されたきっかけは?
以前より、街なかの空き家を利用して事務所兼最小の複合文化施設をつくり、地域の人がアートに触れるきっかけを作りたいと考えていました。空き家物件のちょうどいいものがあったので、環境を整え、活動の幅を広げるためにもコンペに応募しました。
Q3.コンペには、「交流」というテーマがありますが、どのような準備をされましたか?、また、実際にどのような事業を行われたのでしょうか?
空き家を再利用して、これまでの活動でゆかりのあるアーティストを招き、誰でも気軽に鑑賞できる、地域に開かれた展覧会をつくろうと考えました。施設のオープンに合わせて、美術家で写真家の下道基行さんの個展「津波石」を七日間の会期で開催しました。下道さんは、沖縄の八重山諸島を旅しながら、津波によって海底から運ばれて陸地に漂着した岩を探して、映像で撮影するプロジェクトを行っておられます。個展の初日にはオープニングトークを開催し、トーク終了後には簡単な軽食を準備して交流会を開催しました。
Q4.今後、改修された空き家でどのような事業を展開していこうとお考えですか?
Food design factory、Knitting&喫茶、Galleryの3つの事業を展開していきたいと考えています。
Food design factoryでは、現在は「糀」をテーマにしています。糀については、以前は家庭でのお味噌づくりなど、身近な家庭での生活の中にも「発酵」というプロセスがありましたが、最近はなかな見る機会がないと思います。私は食における「発酵文化とコミュニティの関係性」をテーマとした活動をおこなっていて、Homebrewシリーズの第1弾として、家庭で自然発酵体験のできる「塩糀DIYキット」をつくりました。出張ワークショップ、キッズキッチン、ネット販売を展開して世界中の人に山口県産のお米を加工した自然発酵体験キットを活用してもらう機会をつくりたいと考えています。
それから、喫茶店は現在、金曜日、土曜日と不定期で週3日間営業しています。また、アーティストを招いて、地域に開かれた展覧会や交流会を実施していきたいと考えています。
Q5.コンペに応募を検討されている方にアドバイスがあればお願いします。
厨房設備の配置の相談へ保健所に出向いたり、設備品の購入、壁のペンキ塗りなど自分で行いました。可能な限り自分で動くと予算の縮小につながります。事業実現に向けて頑張ってください。