令和3年度交流促進空家活用事業採択者の声(株式会社デザイオ:青木英明さん)
「海辺の旧寄宿舎建屋を利用した、ものづくりワーケーション&コミュニティ拠点開発事業」
令和3年度交流促進空家活用事業(以下「空家活用事業」)採択者、青木英明さんの声をご紹介します。
Q1.普段はどのような活動をされていらっしゃるんですか?
私は京都在住で、農林業用の電動ロボット車両を自主研究開発するとともに企業の技術開発を支援する業務を行っています。現在、農水省スマート農業の実証プロジェクトに参画中です。以前、企業で技術開発、新事業開発に携わってきましたが、定年退職後、今まで培ってきたものづくり力で貢献しようと個人起業しました。現在、大学でデザイン学を勉強中でもあり、イノベーションデザインについて、その手法に興味を持っています。
Q2.空家活用事業に応募されたきっかけは?
物件は友人の紹介から海辺の絶好のロケーションに魅せられ手に入れたものの、建屋の痛みがひどくDIYで細々と改修を始めました。好きなものづくりを心豊かな環境にて皆で楽しむ理想郷にしようと大改造の企みを友人達と話す中で本事業の紹介を受けて、思いを一気に加速するためにも応募しました。
Q3.空家活用事業には、「交流」というテーマがありますが、提案にあたってどのような準備をされましたか?
「ものづくり」を楽しむという行為自体がテーマでもあり、改修そのものを仲間で楽しもうと、大工事は業者さんに任せるも、ウッドデッキ製作や室内漆喰塗りは講習会も兼ねてDIYを仲間で楽しむ企画を考えました。
Q4.空き家の改修後、どのような交流事業を実施されましたか。また、事業実施にあたってどのような工夫をされましたか。
改装中から海辺の広い野外敷地でのジャズコンサートが第一弾のイベントでした。海に面して音楽を楽しむ、観客にも演者にも「気持ちいい」と好評でした。また改修自体がDIY交流事業で、ウッドデッキ、漆喰塗りなど講習会を兼ねて皆で実施しました。ウッドデッキは地域のランドマークにもなる素晴らしいもので、完成後、木工講習・革細工講習などを実施しました。講習の合間にはゆったりと海景色を味わいながらウッドデッキで語り合うことが楽しい体験になっています。
Q5.今後、改修された空き家でどのような事業を展開していこうとお考えですか。
ものづくりワーケーションサイト(Workshop & Resort)として、心豊かな環境で優れたデザインや製品開発を行う理想郷サイトとして活動するとともにコミュニティづくりを進めます。具体的には技術・工芸のワークショップ・ギャラリーを開催していきます。また同時に自らの製品開発活動も行っていき、ここ発のブランド化も考えています。瀬戸内の素敵な海辺環境で地球環境に配慮したSDGsなものづくりを進めていきます。ここに来れば素敵な体験ができる、非日常で心豊かな環境で一味違うものづくりができる、というのがテーマでしょうか。アートと先端技術、老若男女の垣根を超えた融合がテーマで新たなイノベーションを起こすとともに環境問題と人材創りにも貢献できればと思っています。
Q6.空家活用事業に応募を検討されている方にアドバイスがあればお願いします。
計画段階でどうしようか躊躇することもあろうかと思いますが、「思い」があるなら踏み出してみることです。思いを声に出して応募することで、引くに引けない「後押し」があり、これが「思い」を実現する大きな原動力になります。手間はかかります。でもこれを楽しむことが人生の質(QOL)=自分の価値を高めることでもあると思っています。