第7回中原中也賞が日和聡子さんの『びるま』に決定しました
概要
第7回中原中也賞には、平成12年12月1日から平成13年11月30日までに刊行された現代詩の詩集187点(うち推薦作品7点)が寄せられました。平成14年2月23日、応募作品の中から最終選考作品として選んだ7作品を対象に、山口市内の旅館西村屋で選考会が開催され、審議の結果、第7回中原中也賞には、日和聡子さんの『びるま』(私家版)が選ばれました。
受賞作品
『びるま』(私家版)
受賞者
日和聡子(ひわさとこ)
略歴
1974年生、27歳〈受賞時〉
立教大学文学部日本文学科卒業。卒論は、『梅崎春生論』。
詩集『びるま』(2001年3月20日刊・私家版)、『唐子木(からこぎ)』(2001年3月31日刊・私家版)
受賞のコメント
大変うれしく光栄です。本当にありがとうございました。
今回の詩集は私家版ですが、多くの方に読んでいただきたいと思って、1998年頃から書きためた詩をもとにつくったものです。子供の頃から本が好きで、詩は小学1年生の頃から書いていました。
中原中也との出会いは、小学生の頃にテレビ番組で「別離」が朗読されていたのを見て印象深く思ったのが最初です。このときの出会いが、年月を経て、このたびの応募のきっかけとなりました。
この賞をきっかけにさらに詩作に励み、将来につなげていきたいと思います。
選考経過
公募、推薦の詩集187冊の詩集について、昨年8月と本年1月の2回開催された推薦委員会の検討の結果、日和聡子『びるま』、松岡政則『ぼくから離れていく言葉』、関口涼子『二つの市場、ふたたび』、高屋優子『妹人形』、細見和之『言葉の岸』、牛島敦子『磁気圏擾乱』、元山舞『青い空の下で』7冊の詩集が選ばれて、本日の選考委員会の対象とされた。
7冊の詩集は、それぞれ見るべき特徴を持っていたが、2時間以上の討議の結果、全員一致で日和聡子『びるま』に本年度の中原中也賞を贈ることに決定した。
『びるま』に収められた詩には、びっくり箱を開けたような意表をつく、イメージの展開があり、ユーモアに富んでいる。このイメージ、ユーモアは、作者の日常の生活感の豊かさ、多様さから生まれたものであり、地方的でありながら地方性を越えている。この詩集の明るく独創的な詩境が選考委員に高く評価されたものである。
著者 | 詩集タイトル | 出版社 |
---|---|---|
日和聡子 | びるま | 私家版 |
松岡政則 | ぼくから離れていく言葉 | 澪標 |
関口涼子 | 二つの市場、ふたたび | 書肆山田 |
高屋優子 | 妹人形 | 花神社 |
細見和之 | 言葉の岸 | 思潮社 |
牛島敦子 | 磁気圏擾乱 | 砂子屋書房 |
元山舞 | 青い空の下で | ミッドナイト・プレス |
選考委員(五十音順)
氏名 | 肩書き |
---|---|
荒川洋治 | 詩人、早稲田大学文学部講師 |
北川透 | 詩人、梅光学院大学副学長 |
佐々木幹郎 | 詩人 |
佐藤泰正 | 梅光学院生涯学習センター所長 |
中村稔 | 詩人、弁護士 |
応募状況(一般応募作品180点)
全国42都道府県および国外より、17歳から95歳までの177人から、180点の応募がありました。
最も応募が多かったのは東京都の29点で、山口県内からは4点(うち山口市内1点)の応募がありました。
年代別 | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 80歳以上 | 不詳 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
人数 | 1人 | 17人 | 25人 | 37人 | 54人 | 31人 | 13人 | 1人 | 1人 |
関連リンク
中原中也についての関連リンク
中原中也記念館ホームページ<外部リンク>