重要文化財「洞春寺山門」の保存修理が完了しました
水の上町の洞春寺において令和2年9月から実施されていた国の重要文化財「洞春寺山門」の保存修理事業が令和3年1月末に完了しました。
修理では檜皮葺屋根の葺き替えが行われ、美しい姿がよみがえりました。
修理後の洞春寺山門
洞春寺について
洞春寺は毛利元就の菩提寺で、元亀3年(1572)に孫の毛利輝元によって現在の広島県安芸高田市に創建されました。
その後、毛利氏とともに広島市、萩市、山口市へと移り、明治4年(1871)に現在の地に移りました。
現在の地は、応永7年(1400)に大内盛見が創建した国清寺があった地です。
境内には、国指定重要文化財の観音堂や山門、市指定文化財の鐘楼門や国清寺一切経蔵の礎石などがあります。
本堂
観音堂
山門の保存修理について
山門は、前後に控え柱のある四脚門で、切妻造、屋根は檜皮葺です。
建立年代は明らかではありませんが、室町時代中期に国清寺の山門として建立されたものと考えられており、昭和29年9月に国の重要文化財に指定されました。
昭和61~62年(1986~1987)の解体修理の際に調査が行われ、建立当初の姿に近づける形で復原整備されました。この際に、屋根が修理前の桟瓦葺から建立時の檜皮葺に復原されました。
その後、約33年が経過した令和2年に、檜皮葺の摩滅や劣化が進行し修理を要する状態となったことから、国・県・市の支援のもとで保存修理事業が実施されることとなりました。
事業主体 | 宗教法人洞春寺 |
事業期間 | 令和2年(2020)9月から令和3年(2021)1月まで |
事業内容 | 屋根の葺き替え、木部等部分修理 |
設計監理 | 公益財団法人文化財建造物保存技術協会 |
施工 | 谷上社寺工業株式会社 |
修理の経過
修理前の洞春寺山門
令和2年(2020)11月初旬 足場の仮設
令和2年(2020)11月中旬 瓦棟積の解体
令和2年(2020)11月中旬 檜皮葺の解体
令和2年12月(2020)12月初旬 檜皮葺の施工
令和2年12月(2020)12月中旬 現場見学会の開催
令和2年12月(2020)12月中旬 檜皮葺、瓦棟積の完了
令和3年(2021)1月末 保存修理工事の完了