瑠璃光寺五重塔の防災施設整備工事が完成しました
香山町にある瑠璃光寺で行われていた、国宝「瑠璃光寺五重塔」の防災施設整備工事が完成しました。
この工事は、五重塔を周囲の環境と調和させつつ火災等の災害から守るために、ポンプ室の建設や消火水槽・放水銃の設置などを行ったものです。
瑠璃光寺五重塔について
瑠璃光寺五重塔は、嘉吉二年(1442)に建立され、室町時代中期におけるすぐれた建築の一つであるとともに、大内氏隆盛時の文化を示す遺構として意義深いものです。
高さは31.2メートルで桧皮葺独特の軽快さが見られ、軒の出は深くなっています。塔の身部は上層にゆくにつれて思い切って間をつめているので、塔の胴部が細く見えてすっきりと感じられます。これに対して初重の丈が高く、柱が太く二重目には縁勾欄があるので安定感が強くなっています。鎌倉時代から和様、禅宗様、大仏様の建築様式が用いられていますが、この塔は和様を主体としていて、一部に禅宗様の手法が見られます。室町時代のものとしては、装飾の少ない雄健なものです。この塔は大内義弘の菩提をとむらうため、弟の盛見がこの地にあった香積寺の境内に建立したものですが、江戸時代の初めに香積寺は萩に移り、その跡に瑠璃光寺が移りました。その後、瑠璃光寺五重塔と呼ばれています。
所在地
山口県山口市香山町7番1号
瑠璃光寺五重塔
事業主体 | 宗教法人瑠璃光寺 |
事業期間 | 令和3年(2021)10月から令和4年(2022)9月まで |
事業内容 | ポンプ室の建設、消火水槽・放水銃の設置等 |
設計監理 | 株式会社藤沢設計 |
施 工 | 株式会社藤本工務店 |
放水時の様子
修理の経過
令和3年(2021)11月中旬 消火水槽設置・ポンプ室建設のための仮囲い設置
令和4年(2022)1月中旬 ポンプ室建設工事
令和4年(2022)1月中旬 矢板打ち込み工事
令和4年(2022)3月上旬 消火水槽設置工事
令和4年(2022)3月中旬 消火水槽設置工事