山口地域労働組合総連合からの要望
令和8年8月24日提出
(1) 労働者の生活を支えるため、ただちに全国一律「最低賃金1700円」を実現することの早期実現を求める意見書を国に提出すること。
最低賃金の決定につきましては、最低賃金法に基づき、中央最低賃金審議会答申の内容や関係労使の意見等を参考にしながら、地域の実情に応じた適正な最低賃金の改正のための審議を行う各地方最低賃金審議会の答申を尊重して、各地方労働局長が決定することとなっております。
令和8年7月28日に開催された第75回中央最低賃金審議会におきまして、地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられたところでございます。
本市において、国への意見書提出については現在のところ考えておりませんが、労使ともに協議する場である地方最低賃金審議会を経て、8月12日に答申がなされ、所定の手続きを踏まえて、最低賃金を時間額「1,101円」にすることについて官報に公示がなされ、確定されたところです。
(2) 最低賃金の引き上げと経営の継続が両立できるように、中小企業・小規模事業所への支援策を抜本的に拡充・強化し、国民の生命とくらしを守ることの早期実現を求める意見書を国に提出すること。
現在のところ、国への意見書提出については考えておりませんが、国において、「業務改善助成金」をはじめ、最低賃金・賃金引上げに向けた各種支援策を実施されるとともに、相談窓口も設置されておりますことから、市内企業に向けて周知等を行う予定としております。また、本市においても、「山口市新卒・第二新卒者雇用促進助成金」として、大学新卒者及び第二新卒者を6か月以上正規雇用し、賃金を定期昇給相当分を除き3%以上引き上げた事業者に対して、助成金を交付しております。
(3) 山口市が直接雇用する労働者の賃金について、だれもが人間らしく暮らせる賃金とし、時間額1700円以上を保証すること。
本市が直接雇用する職員の賃金につきましては、関係法令に基づき、職務内容や責任の程度、他の地方公共団体や民間事業者の賃金水準、最低賃金の動向等を総合的に勘案し、適正な処遇の確保に努めているところでございます。
なお、本市の給料表は、地域の経済状況を反映している山口県人事委員会勧告に準じて決定してきていることから、今後も、国や県の動向、人事院勧告等を注視するとともに、職員の処遇改善について継続的に検討し、適正な給与・報酬水準の確保に努めてまいります。
(4) 山口市から、市内の企業団体等に労働者の賃上げ、底上げを要請すること。特に、ケア労働者の賃金・労働条件の改善を要請すること。
本市においては、「山口市新卒・第二新卒者雇用促進助成金」として、大学新卒者及び第二新卒者を6か月以上正規雇用し、賃金を定期昇給相当分を除き3%以上引き上げた事業者に対して、助成金を交付しており、これにより、既に雇用している従業員の賃上げのインセンティブとなるものと考えております。
また、ケア労働者である、医療、介護、障がい者福祉等については、国の基準に基づいており、とりわけ介護にかかる報酬については、「「強い経済」を実現する総合経済対策」(令和7年11月21日閣議決定)において、「介護分野の職員の処遇改善については、(中略)他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和8年度介護報酬改定において、必要な対応を行う」とされたことを踏まえて、厚生労働省において、令和9年度介護報酬改定を待たずに、期中改定を実施されているところでございます。
なお、介護事業所における労働条件については、介護サービスの種類により、国において人員基準等が定められており、基準を満たすとともに、適正な労働条件の確保・改善のポイントについてウェブサイト等を通じて周知されており、そのほか、医療、障がい福祉、保育にかかる労働条件についても同様の状況であるため、関係部局で連携して周知を行う等、検討してまいります。
(5) 原材料費や人件費が価格に適正に反映され、下請け企業への単価削減・賃下げが押し付けられないように公正取引ルールを実施するための相談窓口の設置や、賃下げする中小企業・小規模事業所への支援を具体化すること。
「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」(令和3年12月27日内閣官房・消費者庁・厚生労働省・経済産業省・国土交通省・公正取引委員会)に基づき、政府一体となって価格転嫁対策に全力で取り組まれてきており、さらには、内閣官房及び公正取引委員会の連名で「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針(以下「本指針」という。)」を策定されております。
また、令和8年(2026年)1月1日から、「下請法」が改正され、「中小受託取引適正化法として新たに施行されています。これにより、適用対象となる取引や事業者の範囲が拡大され、中小受託取引の公正化と受託側の中小企業の利益保護が強化されたところであり、相談窓口として公正取引委員会及び商工会議所、商工会をウェブサイトにおいて周知されており、本市としても、相談があった際は御案内しているところでございます。
また、賃上げを実施する中小企業・小規模事業所への支援については、国及び県において、「業務改善助成金」をはじめ、最低賃金・賃金引上げに向けた各種支援策を実施され、相談窓口も設置されているため、本市としては、周知等について協力することとしております。
(6) 「子どもの貧困」問題解消の観点からも、全労働者の雇用保障と大幅な賃金引上げの重要性を国や関係当局に対し要請すること。
全労働者の雇用保障と大幅な賃金引上げの重要性に関する国に対する要望については、現時点では考えておりませんが、「子どもの貧困」問題の解消に向けた取組の重要性については認識いたしており、今後も引き続き、子育て世帯への経済的支援や、関係機関と連携した相談支援、子どもの居場所づくりの推進などの各種支援に取り組んでまいります。
(1) 年金制度、健康保険制度、介護保険制度などは、勤労者の負担増を前提とせず、国・企業の社会的責任にもとづき改善するよう上申すること。
年金制度、健康保険制度及び介護保険制度につきましては、勤労者をはじめとする市民の皆様が安心して暮らすことができるよう、将来にわたり持続可能な制度として適切に運営されることが重要であると認識しております。
各制度における負担と給付のあり方を含めた制度の見直しや改善につきましては、国において検討されるべき事項であることから、今後の動向を注視するとともに、市民生活への影響等を踏まえ、必要に応じて市長会等を通じて国に要望してまいります。
(2) 山口市国民健康保険の加入者の特定健康診断の検査項目に聴力検査を追加すること。
聴力検査を国民健康保険の特定健康診査に追加することにつきましては、特定健康診査本来の目的である生活習慣病の予防と早期発見に沿わないこと、また国の実施基準に含まれていないことから、現時点では追加の予定はございません。一方で、国民健康保険の人間ドックに聴力検査を追加することにつきましては、現在、検査項目や費用について検討しており、今後は医療機関等との個別協議を行うなど、慎重な議論を重ねる中で、引き続き検討を継続していく予定としております。
(3) 市の建設・整備する建築物設備は、ノーリフティングケアを考慮した設計とすること。特に、行政・医療・介護・教育施設におけるケガ予防や腰痛軽減などを考慮し、安心・安全な労働環境を確保するよう努めること。
全国的に、高齢者・障がい者福祉施設においては、職員の腰痛予防や離職防止、利用者の安全・安心を確保するため、人の手で抱え上げない「ノーリフティングケア」(ノーリフト)の導入や普及が進められております。
本市の公共施設においては、施設用途や利用実態を踏まえ、介護・医療等の現場における職員の身体的負担の軽減や利用者の安全確保の観点から、必要に応じてノーリフティングケアを考慮した設計に努めてまいります。
なお、本市では、介護人材の定着と確保の促進に向けて、抱え上げ介助などによる介護従事者の身体的負担の軽減や、利用者の安全確保につながるノーリフティングケアの導入支援を行っております。
具体的には、ノーリフティングケアの導入に関する講演や福祉用具の展示等を行うセミナーを開催するとともに、モデル事業所を選定し、専門家の伴走支援を受けながらノーリフティングケアの導入に向けて取り組んでおります。
本市としましては、今後も介護現場におけるノーリフティングケアの普及促進を図り、介護従事者が安心して働くことができる環境づくりに努めてまいります。
(4) 長期化している物価高の影響を強く受けている子育て世帯を支援するため、0歳から高校3年生年代までに支給している「物価高対応子育て応援手当」を増額すること。
「物価高対応子育て応援手当」の支給額(給付額)については、国により決定されたものであるため、本市の判断で増額することは考えておりません。
なお、本市が独自事業として、「子育て世帯への支援」を実施する場合には、本市の子育て世帯の状況を踏まえ、手当の額を含めた事業内容について検討してまいります。
(5) ゆきとどいた教育実現のため、国に少人数学級の早期実現を求めるとともに、小学校1年生の30人学級化を全ての学校へ拡大すること。さらに、小中全ての学年で20人以下学級を展望した少人数学級を早期に実現すること。
1学級あたりの児童生徒数の標準は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教員定数の標準に関する法律」によって定められ、現在、国において小中学校の35人学級化が進められております。本県でも、現時点で中学校1年生までが35人学級となっており、令和10年度までに全学年の35人学級化が完了する予定でございます。また、少人数学級の編制に必要な教員についても、同法に教職員定数が定められており、その配置権限は県に属しております。
このように、市において少人数学級の実施のための基準や教員配置を変更することはできませんが、児童一人ひとりに目配りが行き届く手厚い教育環境を整える上で、少人数学級化をはじめとする指導体制の充実は重要であると認識しております。
しかしながら、35人学級化が進む一方で、本市におきましても全国的な傾向と同様に教員不足の状況がみられます。また、31人以上の学級が4学級以上あり「小1プロブレム解消」など課題の解決を積極的に行う学校に対して、山口県教育委員会から配置される30人学級加配教員についても、本市では平川小学校のみとなっております。このように、少人数学級化の推進にあたっては教員の確保における課題もございます。
本市といたしましては、学校現場における児童生徒の状況や指導上のニーズを十分に踏まえ、少人数学級化の推進や必要な教職員定数の確実な確保につきまして、国の動向を注視しながら、引き続き県を通して国に対して強く要望してまいります。
(6) 山口・防府地域夜間こども急病センターへの公的支援を充実させること。
山口・防府地域夜間こども急病センターは、地域の開業医や勤務医の方々が輪番で出務されることにより、夜間においても子どもたちが安心して医療を受けられる体制を維持しており、小児救急医療体制の要となる重要な役割を担っているものと認識しております。
本市におきましても、これまで関係自治体と連携しながら、同センターの運営に対し、必要な支援を行ってまいりました。
一方で、少子化の進行や医療従事者の確保など、小児救急医療を取り巻く環境は厳しさを増しており、持続可能な医療提供体制を構築していくことが重要な課題であると考えております。
このため、本市といたしましては、今後も関係自治体と連携を図りながら、同センターの運営状況や財政状況等を踏まえ、必要な支援のあり方について協議・検討するとともに、地域の子どもたちが安心して必要な医療を受けられるよう、小児救急医療体制の維持・確保に努めてまいります。
(7) 市内の道路や歩道、自転車道の整備については、歩行者や交通弱者の安全確保を優先すること。横断歩道を適切に配置し、横断歩道周囲の見通しをよくすること。
市道整備にあたりましては、高齢者や障がいのある方、子ども等の交通弱者をはじめとした歩行者及び自転車の安全確保の観点から、歩行空間の確保や段差解消等に努めているところでございます。
横断歩道の設置につきましては、現地の状況を踏まえ、必要に応じて公安委員会へ情報提供を行ってまいります。
また、横断歩道周辺の視距(見通し)の確保につきましては、市道のパトロール等を通じて状況を確認し、安全な通行環境の維持に努めてまいります。
(8) JR山陽本線、山口線の各駅の安全や利便を図るため、駅舎・ホーム等を整備するようJR西日本に要望すること。
本市におきましては、毎年、山口県を通じた西日本旅客鉄道株式会社への要望の中で、駅舎やトイレといった施設整備や交通系ICカードの全駅導入などを要望しております。駅の安全性や利便性の確保の観点から、今後も引き続き、要望を行ってまいりたいと考えております。
(9) 自衛隊による中学生・高校生への入隊勧誘を行わせないこと。自治体に対して、氏名・住所等の個人情報を自衛隊に提供しないよう要請すること。また、自衛隊の行事等で子どもを武器に触れさせることがないよう要請すること。
氏名・住所等の個人情報の自衛隊への提供につきましては、自衛隊山口地方協力本部から情報提供の依頼を受け、その都度、個人情報保護の観点などを踏まえ、検討をした上で、自衛隊へ募集対象者情報を紙媒体により提供することを決定しているところでございます。
併せて、自衛隊への情報提供を希望されない方につきましては、除外申請をしていただくことにより、提供情報からその方の個人情報を除く対応をしているところでございます。
なお、自衛隊の入隊勧誘及び行事等において子どもが武器に触れる機会が設けられることにつきましては、自衛隊において目的等を踏まえ、適切に判断されるものと考えておりますことから、本市から要請を行うことは考えておりません。