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医療的ケア児在宅レスパイト支援事業の早期導入に関する要望と回答(やまぐち医療的ケア家族ネットワーク めでぃっちゃやまぐちからの提出)

印刷ページ表示更新日:2026年10月21日更新 <外部リンク>

やまぐち医療的ケア家族ネットワーク めでぃっちゃやまぐちからの要望
令和8年8月24日提出

要望

 私たち「やまぐち医療的ケア家族ネットワーク めでぃっちゃやまぐち」は、山口県内で医療的ケアを必要とする子どもとその家族が、地域で安心して暮らせる社会を目指して活動している家族会です。
 2021年に「医療的ケア児支援法」が施行され、地方自治体には家族の離職防止や負担軽減を図るための適切な措置を講じる「責務」が課されました。しかしながら、県庁所在地である山口市においては、家族の心身の限界を支えるための在宅支援制度が未だ不十分であり、多くの家族が24時間365日の過酷な在宅ケアにより、共倒れ寸前の限界を迎えています。
 ここに、当会会員の具体的な一事例(人工呼吸器を使用する10歳の長男を育てる家庭)の切実な現状を報告し、下関市や岩国市等で既に実施されている『医療的ケア児在宅レスパイト支援事業』の早期導入を強く要望いたします。
【在宅ケアの深刻な実態(会員の一例)】
 対象児は10歳の長男で、人工呼吸器を使用しており、痰の吸引、胃ろうからの栄養注入、厳密な体温・室温管理が24時間体制で必要です。特に夜間は、呼吸器やパルスオキシメーターのアラームが鳴るたびに母親が中心となって対応しており、慢性的な睡眠不足と疲労により、家族の心身はすでに限界を迎えています。また、この過酷な状況ゆえに、中学2年生になる長女を旅行に連れて行くことや、夜間に家族揃って外出することすら一度もできておらず、きょうだい児への負担にも心を痛めております。
 以前は福祉型のショートステイを利用しておりましたが、現在は2年以上利用を中止しています。医療的ケア児は「10人いれば10通りのケア」が必要であり、環境の変化や、日常の繊細なサインを知らない職員の方によるケアが大きな心身の負担となり、利用のたびに体調を崩してしまったからです。一括りの施設預かり(集団管理)では命と健康を守ることが難しく、リスクが高いために安心して預けられないのが実情です。
【現場の受け入れ態勢と課題】
 現在、このご家庭では市内の訪問看護ステーション「FMCC山口(あてくろ訪問看護)」様による、長男の特性を深く理解した安心のケアを受けています。家族は「いつもケアに関わり、信頼関係ができている看護師さん」だからこそ、安心して息子の命を任せることができます。
 同事業者様にも事前に相談したところ、「市に制度(予算)があり、事前に日程を調整できれば、レスパイト対応に喜んで協力したい」との心強いお言葉をいただいております。このように、現場の受け入れ態勢や協力の意思は整っているにもかかわらず、山口市にそれを支える制度がないために、家族のレスパイト(息抜き・休息)が実現していません。
【山口市への切実なご要望】
 近隣他市で実施されている在宅支援(訪問看護を活用した費用助成等)が、なぜ山口市で受けられないのでしょうか。このままでは家族が崩壊してしまいます。
 医療的ケア児の個別性と家族の置かれた限界の状況をご理解いただき、家族崩壊を防ぐためにも、どうか『医療的ケア児在宅レスパイト支援事業』の導入に向けた具体的な検討と、次年度に向けた予算化を迅速に進めていただけますよう、切にお願い申し上げます。​​

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回答 (障がい福祉課)

 令和3年9月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行され、市町村を含む地方公共団体に対して、医療的ケア児とその家族への支援を責務として定め、地域において医療的ケア児の受け入れが促進されるよう、支援体制の充実が求められているところでございます。
 また、市内相談支援事業所等への聞き取りにおいても、医療的ケア児を養育する家族の身体的・精神的負担の軽減や休息機会の確保の必要性が指摘されており、本市といたしましても、医療的ケア児及びその御家族が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、医療的ケア児本人への支援のみならず、御家族の介護負担の軽減や休息機会の確保も重要であると認識しております。
 本市におきましては、現在のところ医療的ケア児に係る独自の支援事業は実施しておりませんが、障害福祉サービスの枠組みの中で、短期間施設に入所し介護や生活上の支援を受ける「短期入所」や、介護家族の一時的な休息を図るための預かりサービスである「日中一時支援」等のサービスを提供することで、医療的ケア児の御家族の介護負担の軽減に努めております。
御要望のございました「医療的ケア児在宅レスパイト支援事業」につきましては、訪問看護を活用することで、医療的ケア児の状態や特性を十分に理解した看護師等による支援が可能となり、御家族の身体的・精神的負担の軽減につながる有効な取組であると認識しております。県内では下関市及び岩国市において同様の事業が実施されており、本市においても、先行自治体の運営状況等を参考にしながら検討しているところでございます。
 また、訪問看護事業所への聞き取りでは、事業所における人員確保等に課題があり、現時点で対応できる訪問看護事業所が限られていることから、支援内容、利用時間、安全管理等について、事業所等とも課題の対応策等も含めて連携しながら事業の導入に向けて、さらに検討を行っていくこととしております。
 本事業につきましては、医療的ケア児及びその御家族の在宅生活を支えるための有効な方策の一つでございますことから、頂いた御意見を今後の施策検討における貴重な御意見として受け止め、ニーズや地域の実情を踏まえながら、本市における支援の在り方について引き続き検討を進めてまいります。

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