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山口市産後ケアについての要望と回答(助産院赤ちゃんのほっぺ、助産院Cigogne、助産院ローズベビーサロンからの提出)

印刷ページ表示更新日:2026年5月7日更新 <外部リンク>

助産院赤ちゃんのほっぺ、助産院Cigogne、助産院ローズベビーサロンからの要望
令和8年3月17日提出

要望

 平素より、山口市の母子保健施策の推進にご尽力いただき、心より感謝申し上げます。
 産後ケアは、母親の身体回復、育児不安の軽減、産後うつの予防、虐待予防などの観点から、近年そ の重要性がますます高まっています。国においても「希望するすべての家庭が産後ケアを利用できる体制整備」が進められており、各自治体において制度整備が進められています。
 山口市においても、今後さらに安全で質の高い産後ケアを安定して継続していくため、現場の実情を踏まえた制度整備について、以下の点をご検討いただきたくお願い申し上げます。

1 国制度に基づく加算・補助制度の活用について
 産後ケア事業については、国の制度において
  ・24時間365日受入体制整備加算
  ・支援の必要性の高い利用者の受け入れ加算
  ・兄姉や生後4か月以降の児を受け入れる施設の加算
  ・宿泊型について、夜間に職員配置を2名以上にしている施設への加算
など、支援の負担や体制維持に応じた補助制度が設けられていると承知しております。
 現場では、育児不安が強い方や家庭内支援が乏しい方など、より手厚い支援を必要とするケースが増えている状況があります。
 産後ケアの継続的な受け入れ体制を維持するためにも、これらの国制度の趣旨を踏まえ、山口市においても加算制度や補助制度の活用についてご検討いただけますと幸いです。

2 日帰り型産後ケアの利用回数について
 現在、山口市における日帰り型産後ケアの利用回数は3回となっています。
 産後ケアでは、母親の身体回復支援、母乳支援、育児不安の軽減などを継続的に支えるため、複数回の利用が大切であると感じています。
 県内自治体の利用回数は以下のようになっています。

 
 自治体 利用回数
山口市 3回
美祢市・宇部市 4回
防府市 5回
下関市・山陽小野田市 7回
岩国市 14回
 このように、県内自治体と比較しても利用回数には差がある状況です。継続的な支援体制を整える観点から、日帰り型産後ケアの利用回数の拡充についてご検討いただけましたら幸いです。​​

3 日帰り型産後ケアの委託料について
 日帰り型産後ケアの実施には、以下のような体制が必要となります。
  ・人件費(助産師・保育士・事務・場合により管理栄養士)
  ・施設設備
  ・衛生管理
  ・記録業務
  ・予約管理業務
 また、日帰り型産後ケアでは利用時間が長時間に及ぶことが多く、母子の安全確保や休息支援のための人員配置、施設環境の維持など継続的な運営コストが発生します。
 他自治体では、例えば

 
自治体名 通所型委託料
福岡市 25,000円
岩国市 20,000円

など、通所型産後ケアの運営実態に合わせた委託料が設定されています。
 また、山口県において実施されている「ほっとひといき産後ケア」では、助産師の人件費として15,000円が設定されており、それに加えてホテル等の施設使用料が支払われています。
 これらを合計した金額と比較すると、現在の通所型産後ケアの委託料は、支援内容や必要な人員体制を踏まえた場合、圧倒的に低い水準であると言わざるを得ない状況です。
 通所型産後ケアでは、母子の健康管理、授乳支援、母体回復支援、休息支援など専門的な支援を長時間にわたり提供しており、必要とされる専門性や責任の観点からも、適切な制度設計が必要であると考えております。
 産後ケア事業を継続的に実施していくことができる制度とするためにも、他自治体の水準や事業の専門性も参考にしながら委託料の見直しについてご検討いただけますよう強く要望いたします。

4 宿泊型産後ケアについて
 産後ケアでは、母親の十分な休息確保や夜間の授乳支援、育児不安の軽減などを目的として、宿泊型産後ケアの役割も重要とされています。
 県内自治体の中には、宿泊型産後ケアの委託料として
  岩国市     宿泊型60,000円
  山陽小野田市  宿泊型50,000円
が設定されている自治体もあります。
 宿泊型産後ケアでは、日帰り型と比較して以下のような体制が必要となります。
  ・夜間を含めた助産師等の人員配置
  ・夜間の見守り体制、夜勤スタッフの人件費
  ・緊急時対応体制
  ・宿泊環境の維持管理・食事提供などの業務
 夜間は常時ケアが発生するわけではない場合でも、母子の安全確保のためにはスタッフが施設内で待機する必要があり、待機時間についても人件費が発生します。
 このように宿泊型産後ケアでは、日帰り型以上に人員体制や施設維持のための費用が必要となるため、実際の運営実態を踏まえた制度設計についてご検討いただけますと幸いです。

5 特別な配慮が必要なケースについて
 通所型産後ケアでは、通常の母子支援に加え、より手厚い対応が必要となるケースがあります。
  ・双子など多胎児のケース
  ・経管栄養(胃ろう・経鼻チュープ)を使用している児
  ・在宅酸素を使用している児
  ・吸引など医療的ケアが必要な児
 こうしたケースでは、安全確保のため通常よりも手厚い見守りや支援体制が必要となります。現場として十分な配慮を行いながら対応していますが、その負担は施設側に委ねられている部分も多く、結果として施設の善意やボランティア的な対応で支えている面もあります。
 そのため、多胎児加算や医療的ケア児加算など、特別な支援が必要なケースに対する制度整備についてもご検討いただければ幸いです。

6 おわりに
 私たちは、今後も山口市と連携しながら、地域の母子に寄り添う産後ケアを継続していきたいと考えています。
 産後ケア事業は、母親の心身の回復だけでなく、その後の子育てや家庭の安定、第二子以降を考えることにもつながる重要な母子保健施策です。
 国は「希望するすべての家庭が産後ケアを利用できる体制整備」を進める方針を示しており、今後さらに利用ニーズが高まることが見込まれています。
 一方で、現在の制度のままでは事業者の運営負担が大きく、将来的に通所型産後ケアを実施する事業者が減少してしまう可能性も懸念されます。
 そのため、国の制度の趣旨を踏まえた体制整備を進めることは自治体の重要な役割であり、事業者が安定して運営を継続できる制度設計を整えることが、結果として山口市における母子保健体制の維持・充実にもつながるものと考えております。
 本書の内容につきまして、今後の産後ケア事業の制度検討の際の課題としてご共有いただき、持続可能な産後ケア体制の確立のためにも、制度の充実についてご検討いただきますようお願い申し上げます。

 

​​

回答 (子育て保健課)

 産後ケア事業が、母親の心身の回復や育児不安の軽減、さらにその後の子育て期を見据えた重要な母子保健施策であることにつきましては、本市といたしましても強く認識しているところでございます。
 御案内のとおり、国におきましては、産後ケアを必要とするすべての方が利用できるサービスであることが明確化されており、令和7年3月には新たな産後ケア事業実施要綱が示され、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制の充実が求められております。
 こうした国の動向を踏まえ、本市におきましては、平成28年度から産後ケア事業を実施し、令和5年8月からは、メニューの拡充、対象者の拡大、利用料の無料化など、事業の充実に取り組んでまいりました。その結果、利用実績は年々増加しており、市民ニーズの高い事業であると認識しておりますことから、事業費についても継続的な確保に努めているところでございます。
 御要望のありました、支援の必要性の高い利用者を受け入れる場合の加算制度の導入、日帰り型産後ケアの利用回数の拡充、委託料の在り方、宿泊型産後ケアの運営体制、医療的ケアや多胎児等への特別な配慮が必要なケースへの対応につきましては、いずれも現場の実情を踏まえた重要な課題であると認識しております。
 制度設計や委託料の額につきましては、本市の子育て施策のほか多岐にわたる市全体の事業の遂行を考えますと、直ちに制度改正等を行うことは難しい状況でございますものの、国の実施要綱において示されている加算制度や運営上の留意点は、持続可能な産後ケア体制を構築する上で重要な視点でありますことから、この度の要望内容につきましては、貴重な御意見として、今後の事業運営や制度見直しの検討に活用させていただきたいと考えております。
 今後とも、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制の一層の充実を図るため、産後ケア事業の実施状況や利用状況の把握を継続するとともに、利用終了後の振り返りや関係機関との連携強化に努めてまいります。
 引き続き、本市の母子保健施策の推進に御理解と御協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

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