要望書について（山口市医師会、吉南医師会からの提出）

山口市民の健康を守るため、以下の3点について、下記の理由を付して要望いたします。

1　帯状疱疹ワクチン接種に係る公費助成
2　おたふくかぜワクチン接種の公費助成
3 「3歳児健康診査」での視機能検査機器導入に伴う委託料の改定

　　　　　　　　　　　　　　　　　記
1　帯状疱疹ワクチン接種に係る公費助成について
　帯状疱疹は、50歳代から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症するといわれています。発症すると患者は長期にわたり疼痛に悩まされる可能性があり、患者の生活が制限されるとともに、抗ウイルス薬や疼痛管理のため医療費も高価なものとなります。
　帯状疱疹の発症予防についてはワクチン接種が有効とされていますが、任意接種であり、特に不活化ワクチンの接種費用は高額で、数万円を全額自己負担する必要があります。
　令和5年3月の山口市議会において、帯状疱疹ワクチン接種に係る助成制度の創設や予防接種法に基づく定期接種化を強く求める意見書が採択され、山口市においてもその取組の必要性を感じておられると考えています。
　県内においても、宇部市などが帯状疱疹ワクチンの公費での一部助成を実施しているところもあり、山口市においても、帯状疱疹ワクチンの公費での助成をされるよう要望します。

2　おたふくかぜワクチン接種の公費助成について
　わが国では、先進諸外国に比して遅れていた予防接種体制でしたが、近年、Ｂ型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンなどが定期接種になり、諸外国に追いつくまでになりました。しかしながら、「おたふくかぜ」などのワクチンは任意接種であり、一層の整備が望まれているところです。
　国内では常に「おたふくかぜ」が発生しており、子どもが発症すると、軽症でも 感染拡大防止のために1週間ほど登園登校停止となり、保護者の仕事や社会的活動も制約を受けることもあります。さらに合併症として難治性の難聴があり、約1000人に1人、年間で約700人が罹患しているとの報告がされています。
　ワクチンで防ぐことができる病気(VPD:Vaccine Preventable Diseases) から一人でも多くの人を救うために、予防接種法を改正し、地域間や経済的格差なく、希望する総ての人が定期接種でこれらのワクチン接種が受けられる制度を早期に実現させる必要があります。
　山口県内でも、岩国市、宇部市などおたふくかぜワクチンの公費での一部助成を実施しているところもあり、山口市においても、おたふくかぜワクチンの公費での助成をされるよう要望します。

3 「3歳児健康診査」での視機能検査機器導入に伴う委託料の改定について
　平成27年に山口市医師会、吉南医師会、山口市小児科医会から、3歳児健康診査での視機能検査機器の導入の要望及び導入に伴うコストを反映した委託料の改定を要望したところですが、視機能検査機器Welch Allyn Vision Screenerを医療機関で導入した後の委託料は以前と同額になっています。
　視機能検査機器Welch Allyn Vision Screenerの導入費用は約137万円 となっています。さらに検査に際してのスタッフの労力が増加しているにも関わらず、委託料への反映がなされていないのが現状です。
　3歳児健康診査における視機能検査が制度化されて以来、子どもの弱視の早期診断が可能となり、著しい効果が現れています。
　山口市の集団健診においても、視機能検査機器を追加導入され、個別健診で視機能検査を受診できなかった子どもの対応を強化されています。しかし、集団健診で視機能検査を受けられる子どもの割合は、令和4年度においては11.7％に留まり、大多数の受診者が個別健診を受診されているのが現状です。労力、コストをかけて機器を導入し、視機能検査を受託している医療機関に対する委託料を改定されるよう要望します。個別健診で検査を実施した場合は6歳未満の屈折検査料で算定される690円の上乗せが妥当と考えます。