山口市徳地老人福祉センター跡地利用検討委員会からの要望
令和5年2月9日提出
(1)防災拠点としての整備
現在、徳地地域交流センター島地分館と島地小学校が避難場所に指定されています。
洪水の場合、島地分館は避難場所に適していませんが、跡地に新設する建物(以下「新施設」という。)の二階を避難場所にすれば洪水の場合も対応が可能となります。避難者の体が休めるように畳の間を設け、ある程度のプライバシーが保てるパーテーションを用意します。なお、幼児や高齢者、障がいのある方のためにエレベーターを設置します。平常はコミュニティスペースとして地域の方が会合や集会等に自由に利用できる場所として活用します。
そして、新施設に太陽光発電設備と災害時に最低3日程度の電気を賄える蓄電池を設置します。再生可能エネルギーの利用促進を図りながら、平常は光熱費の削減、有事の際は災害用としてその電気を活用します。
また、ロハスの現厨房と現倉庫のスペースを備蓄倉庫にして災害時に必要な物品を格納できるようにします。
もし、災害が起こった場合、ロハスと新施設は『炊き出し』や『温泉』、『休憩所』、『宿泊所』までを避難者に提供できる施設となります。期間限定であっても、地域内に地域住民の安全な生活を保障し、支援できる場所を確保することは安心して暮らし続けられる地域づくりに繋がります。
このように、災害時に地域住民に対して必要なサービスを包括的に提供できる場所は、ロハスと新施設にしかありません。早急な整備を望みます。
(2)交流拠点としての整備
ロハスが島地地域の交流拠点として地域の賑わいを創出し続けるためには地域資源を活用した特産品が必要になります。そこで、新施設の一階に餅の加工場を作ります。ひら餅や餡餅など加工の様子を外から見学できるようにし、つきたての餅をその場で販売します。また、餅はロハスブランドの特産品として、ロハスだけではなく南大門でも販売します。(販路は順次拡大していきます。)原料のもち米は地域内の農業法人及び個人農家と契約栽培をして調達することとし、地域の農業の振興に繋げます。
現在、ロハスの食堂のメニューはうどん、そばが中心です。繁忙期には食堂の席数が足らないため温泉の休憩スペースを間借りすることが度々あります。しかし、厨房はうどん、そば以外の調理に対応できるスペースがないため調理できるメニューに限界があり、今以上のお客様の増加は見込めません。
そこで、新施設の一階に地域食堂を作り、朝市の新鮮な野菜を使ったロハスオリジナルメニューや健康と長寿をコンセプトにした日替わり定食、季節限定のスイーツ、アルコール等を提供していきます。都市部からのお客様はもちろんですが、地域の人、特に独居の高齢者や隣接する企業の従業員に毎日利用してもらえる食堂を目指していきます。
また、加工場と食堂を新設するためには大量の汚水処理が必要になりますが、ロハスの浄化槽は現時点で容量が不足しており、新しい自主事業を始めることが困難になっています。新施設については浄化槽を埋設するのではなく、島地農業集落排水を利用します。そうすることで、自主事業等への柔軟な対応が可能となりロハスと跡地の機能向上が図れます。そこで、菜洗橋の橋下に下水管を配管させ島地農業集落排水に接続させることを提案いたします。今ある施設を有効に活用していくことは地域の限りある環境を守ることにも繋がります。
(3)交通結節機能の向上
ロハスは防長バス、藤木おたっしゃ号、西村、串からの生活バスの結節地点となっています。まず、バス停をロハスの前に移転してバス利用者がトイレを利用しやすくします。そして、バスを安全に走行させるためにバスの走行車線敷地に一般車両駐停車禁止の表示をして一般車両が入らないようにします。バス利用者の安全確保はもちろん車両同士の接触を防止します。
それから、跡地の一部を駐車場にして手狭な現駐車場を拡張します。駐車台数の増加はロハス利用者の増加に繋がります。そして、拡張した駐車場に屋根を付けて全天候での多種多用なイベントに対応できる空間にし、定期的なイベントを計画的に実施してロハスの周知と賑わいを創出していきます。なお、屋根には太陽光発電設備を設置して再生可能エネルギーの利用促進を図ります。また、イベント会場を跡地に移すためバス路線の臨時変更をすることなくイベントが実施できるようになります。
(4)生活拠点としての整備 その他
串地区及び島地地区は日常的に買い物ができる店舗が無く、住民は買い物難民となっています。現在は各地区から生活バスを利用してロハスで防長バスに乗り継ぎ、堀のスーパーで買い物をしています。そこで、現売店に食堂スペースを加えて売り場面積を増やし、生鮮食品や日用品の数と内容を充実させて日常的な買い物に対応できるミニスーパーにします。そこでは、食堂で作った弁当や総菜も販売します。
店舗内には山口県JAのATMを設置します。(ATMの設置費用は山口県JAが負担します。)
これから地域は、今以上に高齢化が進み、車の運転や買い物が難しくなります。今も未来も、地域住民の生活を豊かにし、安心して元気に暮らすために、地域の生活拠点としてミニスーパーは必要な施設です。
そして、ロハスと新施設を直接往来できる連絡通路を設置し、新施設との一体感を図ります。雨天時など、お客様の利便性も向上します。
また、既に設置が決まっている新貯水槽にペイントをして『ロハス島地温泉』のインパクトのある広告塔として利用します。既存の観光資源である『雨田草堂』と『島地黙雷』についても併せてPRし、広く周知を図ります。
温泉や売店、食堂の職員については、職員研修を随時実施し、接客等のサービスの向上を図ります。そして地域内外のお客様が求めているものを的確に把握し、迅速に対応できる体制を作ります。
ロハスと新施設が持続可能な施設であり続けるには、職員や運営協議会役員が常に新しい時代の流れを捉えていく必要があります。既存事業はもちろん新規事業にもどんどんチャレンジしていかなければなりません。検討委員会は運営協議会と連携協力して、ロハスと新施設の運営について積極的にかかわっていきます
山口市徳地老人福祉センターにつきましては、高齢者の方の健康増進などを目的として昭和56年に設置いたしてから、地域の皆様に広く御利用をいただいてまいりました。また、平成元年度には、当該施設に併設するかたちで、徳地長寿苑デイサービスセンターを設置いたしまして、高齢者の方の孤立感の解消や心身機能の維持、御家族の方にかかる介護の負担軽減などを目的として、通所介護サービスの提供などを行ってまいりました。
こうした中、徳地老人福祉センターが果たしてまいりました機能等につきましては、徳地地域交流センター島地分館の活用により確保され、また、徳地地域内に立地するとくぢ苑デイサービスセンターの定員拡大による機能統合のもとで、徳地長寿苑デイサービスセンターが提供してまいりました通所介護サービスの維持が図られることとなりましたことから、令和3年1月に山口市徳地老人福祉センター及び徳地長寿苑デイサービスセンターを廃止いたしたところでございます。用途の廃止を行いました両施設につきましては、建設から30年以上が経過する中で、老朽化が進み、外壁の落下等の危険性や、防犯上の課題などがあるものと認識いたしております。
こうしたことから、本市といたしましては、まずは、周辺にお住まいの方を始めとした市民の皆様の安全・安心の確保に向けて、建物の除却の検討を進める必要があるものと考えております。
また、除却後の跡地の利活用につきましては、島地温泉ふれあいセンター(ロハス島地温泉)の隣接地として、徳地地域全体の地域づくりを考える中で、地域の皆様の御意見を伺いながら、検討してまいりたいと存じます。