やまぐち障害者解放センターからの要望
令和4年11月9日提出
要望
前回も上げましたが、新市庁舎の交流棟に避難所の機能を持たせることを重ねて要請します。
障害者トイレにはベッドが必要です。座れない障害者は、小便も大便もベッドを使います。さる3月23日の交渉の際、防災課の方より「避難所の学校には必ず障害者用トイレがある」と断言されました。私たちは避難する可能性がある6つの学校の障害者用トイレを見学に行きました。チェック項目は以下の通りです。
1,入り口の幅が100センチ以上あるか
2,オストメイト用の洗面所があるか
3,車椅子と介護者2名くらいが入れるスペースがあるか
4,折り畳み式のベッド(長さ180センチ、幅100センチ)があるか
5,手すりがあるか。便器の高さと手すりの位置が適当か
6,緊急時ボタンがあるか
6つの学校のどこのトイレも非常に狭く、車いすが一台、介護者が二人入るのがやっと、ベッド、オストメイトの洗面所などは初めからなく、重度の障害者が使うには難しいものでした。これでは障害者が避難所に行ってもトイレもできず、かえって体を壊すことになります。そのため、今すぐにでも「避難所の学校の障害者用トイレを改装するべき」です。しかし、このような避難所のありかたを見るにつけ、学校のトイレを今すぐに改装するのは難しいであろうことも理解しております。
そこで、障害者が避難する際、「ホテルの費用の保障」も有効な避難方法の選択肢の一つであるように思われます。山口市は観光地であり、ホテルは多数存在します。そこに避難をさせてもらえれば、各障害者のプライバシーを守りながら過ごせることと思います。介護はヘルパーさんに来てもらうことでとりあえずの避難場所にはなると思います。こうすることでこれまで一貫して申し上げてきた電源の確保や介護の問題はある程度解決できると思います。しかし、私たちにはホテルに何泊もするほどの経済的余裕はなく、避難生活を長くホテルで過ごすことは金銭的に無理があります。市でこのホテル代の支援をしていただければ、避難の選択肢が増えて良いかと思います。
「災害時の避難に備えた学校の障害者用トイレの改装」及び「避難時のホテル宿泊費の保障」を、災害時の支援の一つとしてご検討いただきますようお願いします。
記
一、新市庁舎交流スペースに避難所として使える機能を持たせること
一、ホテルに避難した時の宿泊費の保障をすること
一、学校の障害者トイレにベッド、オストメイト用洗面台等を設置すること
一、高速道路サービスエリアの障害者トイレ以上のものとすること
一、ベッドの重要性を理解いただき、どのように使うか見に来てください
回答 (防災危機管理課)
1. 新市庁舎交流スペースに避難所として使える機能を持たせることについて
新本庁舎における避難所機能につきましては、災害発生直後における浸水や火災などの危険を回避するため、緊急に避難する一時避難場所として、市民交流棟や広場等を活用することを想定いたしております。
一方で、宿泊を伴う長期の避難につきましては、安全性や快適性を考慮して、地域交流センターや学校施設など、山口市地域防災計画におきまして、あらかじめ指定いたしている避難所を御利用いただくこととしているところでございます。
2. ホテルに避難した時の宿泊費の保障をすることについて
避難場所としてホテルを利用することにつきましては、安全性が高いことやコロナ禍における分散避難の観点から、本市といたしましても、有効な避難行動の手段の一つとして推奨いたしているところでございます。
現在、本市におきましては、避難行動要支援者の避難マイプラン(個別避難計画)の作成を進めるとともに、福祉避難所の確保を進めているところでございまして、まずは、要支援者の方、一人ひとりの避難マイプランを作成することで、それぞれの特性に応じた、福祉避難所を始めとする適切な避難場所を定めていくことが重要と考えているところでございます。その過程におきまして、ホテルへの避難が必要な状況と判断される場合には、支援策を検討いたしてまいりたいと考えております。
なお、山口県と山口県旅館生活衛生同業組合におかれましては、大規模災害発生時に、宿泊施設を要配慮者の避難所として利用できる協定を締結されているところでございます。
3. 学校の障害者トイレにベッド、オストメイト用洗面台等を設置することについて
介助を必要とする要配慮者の方が避難する場所といたしましては、設備の整った福祉避難所を想定いたしておりまして、現在、その確保に向けた取組を進めているところでございます。そのため、一般避難所となります学校施設の改修につきましては、予定していないところでございます。
4. 高速道路サービスエリアの障害者トイレ以上のものとすることについて
先述のとおり、学校施設の改修につきましては、予定していないところでございます。
なお、現在、整備を進めております新本庁舎におきましては、「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」及び「山口県福祉のまちづくり条例の設計標準」に従いまして、誰もが快適に御利用いただくことのできるトイレを整備することといたしております。
5. ベッドの重要性を理解いただき、どのように使うか見に来てください について
11月24日(木)に、本市の関係課職員及び福祉避難所引き受け予定事業所等の職員で訪問いたしまして、ベッドの使用状況について確認をさせていただいたところでございます。
今後、この度の訪問で得られました知見等を参考にいたしながら、障がい者トイレへのベッドの配備、規格等につきまして、検討して参りたいと考えております。