山口市 人と動物と共生プロジェクトからの要望
令和3年12月27日提出
コロナ禍で癒しとしてペットを迎える人が増える一方で、飼育放棄や多頭飼育等の問題が急増しています。山口市におきましても、現在多頭飼育崩壊や高齢の飼い主の入院、死亡により行き場を失ったペットに関する相談が相次いでいます。そうした問題の大半は、動物愛護団体に解決を委ねている状況です。
先だっては市営住宅で多頭飼育に由来する問題が発生し、当事者や支援者にも危険が及び兼ねない特殊なケースだったことから、福祉と行政と愛護団体が慎重に連携して介入し、解決への道筋をつけたところです。高齢化社会が進めば、今後さらに深刻な事例がでてくることも充分に考えられます。
そこを踏まえ、以下の施策を要望いたします。
1 多頭飼育問題等、動物福祉の向上に対応できる担当部署の設定
2 ふるさと山口寄附金の用途として、動物共生枠の新設もしくは追加
1について、担当課を明文化することによって早期に相談しやすくなり、深刻な事態を防ぐことができると考えます。
2について、山口市の第二次山口市協働推進プランの【基本事業2】市民活動団体の育成と支援の強化の具体的な取組として『ふるさと納税制度を活用した地域活動、市民活動支援のための新たな基金の創設やガバメントクラウドファンディング等を活用した新たな財政支援制度を検討』とあります(46P参照)。これを機にぜひ導入をお願いします。ちなみに、山口市と同じく市所轄の保健所がない宇部市でも、平成30年から『動物と共生するまちづくりプロジェクト』が導入されており、R2年度は220万円を超える寄付金が、TNRや保護、譲渡、啓発活動に柔軟に利用されています。
効果的に活用できるよう、ほかの動物愛護団体とも話し合ってよりよい仕組みづくりもあわせて行えたらと思っています。ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
動物愛護と福祉を包括する施策の充実に関する要望につきまして、次のとおり回答いたします。
1 多頭飼育問題等、動物福祉の向上に対応できる担当部署の設定
多頭飼育問題、とりわけ多頭飼育崩壊につきましては、本市環境衛生課において、該当する情報を把握した場合、所管する山口環境保健所と連携し、速やかに対処することとしています。
また、多頭飼育崩壊に限らず、いわゆるペットや動物愛護法に関連する事案は、様々な状況が想定されますことから、事案に応じて関連する各課の連携を密にし、適切に対応してまいることとしております。
2 ふるさと山口寄附金の用途として、動物共生枠の新設もしくは追加
ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングによる財政支援制度につきましては、御案内のとおり、他市の事例もございますことから、今後、こうした事例も参考にしながら、本市の状況も踏まえて、研究してまいりたいと考えております。