将来の活躍が期待される芸術家を表彰する「第10回やまぐち新進アーティスト大賞」に、本市松美町の鈴木啓二朗さん(36)が選ばれ、平成30年2月6日、山口総合支所で贈呈式を行いました。
市内に在住または創作拠点を持つアーティストが対象で、今回は9人が応募されました。鈴木さんが応募された「宇宙毛布スーツ・パターン(黄金のフリース)」「風に吹かれて見える風景・・・」「声、声、声・・・(♯2)」という3作品と「現代アートの可能性」を呈示する鈴木さんの将来性が審査員に評価され、大賞に選ばれました。
贈呈式で、市長は「これまで受賞された方々は、これを契機に多彩な活躍をしている。鈴木さんも山口市を舞台に全国そして世界に羽ばたいて欲しい」と祝辞を述べました。また、審査委員長の斎藤郁夫・県立美術館副館長は「STEM(サイエンス・テクノロジー・エンジニアリング・マスマティックス)教育が重視されている中で、最近ではアートを加えたSTEAMの教育が提唱されており、鈴木さんの作品にはそういった新たなアートの広がりを感じた。10回目にして、現代美術に特化し表現された方は初めてではないか。これからのアートの可能性を見せてくれた」と総評を述べられました。
鈴木さんは名古屋出身。2010年にヒューストン大学大学院の美術学部を卒業後、2014年に山口市を生活拠点に移し、本市をはじめ国内外で作品制作と発表を続けています。日常で忘れられたり、気づかなかったりする歴史や事実などの掘り起こしとともに、さまざまな素材や表現手法をとおして、現実社会を少し違った角度から観る機会を生み出す試みを続けられています。
鈴木さんは「現代美術はわかりにくいが、専門的な方々に評価されてうれしい。今後はもう少し一般的な作品も並行して制作していきたい」と今後の決意を語られました。
第10回やまぐち新進アーティスト大賞に選ばれた鈴木さん(右から2番目)との記念撮影。右から市長、鈴木啓二朗さん、大和保男(山口市芸術家育成支援事業運営協議会会長)、斎藤郁夫(やまぐち新進アーティスト大賞審査委員長)
市長から賞状を贈呈された鈴木さん
鈴木さんが制作された作品。左奥は「宇宙毛布スーツ・パターン(黄金のフリース)」、右奥は「風に吹かれて見える風景・・・」、手前が「声、声、声・・・(♯2)」
文化交流課 ☎083-934-2717