中原中也生誕110年を迎える今年、中也に関するさまざまなイベントが行われています。中原中也記念館では、平成29年7月27日から10月1日まで、「詩が生まれた場所へ-中也の見た風景」と題した特別企画展が開催されています。
今回の企画展は、中也が生きた時代の風景や雰囲気に浸れる内容になっています。展示コーナーはテーマごとに4つに分けられており、中也が過ごした場所から詩が生まれた背景を感じとれたり、使用していた遺品を見て中也の人柄に想像を膨らませたりできます。
特別コーナー「中也が好きだったもの」では、中也が愛用していたマントやパイプなどが展示してあります。中也の遺品は現存しているものが少なく、大変貴重な展示です。そして今回の展示では、昭和初期の繁華街の様子など映像が見られるDVDが各所に配置されており、中也の生きた時代に没入できる仕掛けがしてあります。そしてなんといっても注目したいのが、中也が毎日のように足繁く通っていた東京のバー「ウィンゾアー」で実際に使われていた椅子や机が設置されているコーナーです。また当時の流行歌「女給の唄」や「愛して頂戴」などがBGMとして流れており、当時の雰囲気に浸れる演出がされています。このように、館内すべてを回ったとき、古くて新しい中也詩の世界を旅した気分を味わえることができます。
このほかにも、中原中也生誕110年を記念して、市内ではさまざまなイベントが企画されています。ぜひこの機会に、山口市が生んだ詩人・中原中也をさまざまな角度から鑑賞してみられてはいかがでしょうか。
中也は黒が好きだったそうで、愛用のコートも黒色
中也に関する展示品と共に、昭和初期の映像も合わせてみることができる
バー「ウィンゾアー」をイメージしたセット。通常は展示品の写真撮影はできないが、このコーナーだけは撮影が許可されている
椅子や机はバーを経営されていた方の親族・青山二郎の知人・濱田庄司が集めた物で、18世紀後半にイギリスで使われていた椅子
学芸員による展示解説です。
昭和初期に流行した音楽を聴きながらカフェでのひとときをお楽しみいただけます。
旧県会議事堂を会場に当時の建築について県立大学教授・斉藤理氏が講演を行います。
中原中也と太宰治が絡み合う悲喜劇です。
生誕110年を迎えた詩人・中原中也の詩を散りばめた演劇公演です。
中也の詩の中の「月」の言葉を紹介します。琴(箏)や三絃、尺八などの伝統楽器が奏でる音色と室内楽ハーモニーをお楽しみください。
中原中也記念館<外部リンク>
中原中也記念館 Tel083-932-6430