平成27年4月29日、湯田温泉ユウベルホテル松政で第20回中原中也賞贈呈式を開催し、約200人の来場者のもと、詩集『グラフィティ』で受賞した岡本啓さん(31歳)に賞状(陶板)と中也のブロンズ像(正賞)、副賞を贈呈しました。
選考委員を代表し、佐々木幹郎氏は「とても初々しい作品である。言葉に対して真摯でありながら、しかしその中にある素朴さと鮮明さに心を打たれた。今回の受賞によって岡本さんが化けていってくれると信じて決定した」と選評を述べられました。
また、市長は「言葉の一つ一つに、素直さと勢いのある新鮮な世界を深く感じた。これからも、精力的に詩作に励まれ、言葉の持つ心地よさを我々読み手に伝えていっていただきたい」とお祝いの言葉を述べました。
岡本さんは「ここ3、4年で詩を書くようになり、自分が変わってきた実感がある。詩を真剣に書くことで、日常の言葉自体が真剣になっている。でも自分の中でつぶやくだけではどこか足りない、そう思っていた時、今回より人の目につく場に出させていただいた。それがとても嬉しい。本当にありがたい機会と素晴らしい賞をいただいた」とあいさつされました。
贈呈式の後には「中原中也賞の20年―受賞詩人による記念シンポジウム」を開催。選考委員の佐々木氏司会のもと、メインパネリストに和合亮一氏(第4回受賞者)と三角みづ紀氏(第10回受賞者)、ゲストに10人の受賞詩人を迎え、中也賞の創設経緯をはじめ、受賞前後を振り返った体験談や中也賞に対する想いなどが話されました。また、受賞者のユーモア溢れる話に笑い声が聞かれるなど、会場は和やかな雰囲気に包まれました。
今後も中原中也賞を通じて、多くの皆さんに中原中也の詩の魅力はもとより、言葉による表現の楽しさに触れていただけるよう努めていきます。
贈呈式の様子
受賞詩集「グラフィティ」
シンポジウムの様子
文化交流課 Tel083-934-2717