令和7年4月29日(火曜日・祝日)、現代詩人の登竜門とされる第30回中原中也賞贈呈式を、湯田温泉ユウベルホテル松政で行いました。同賞は中也の業績の顕彰を目的に1995年に創設し、今回は全国から247点の応募・推薦の中から、高村而葉(たかむらじよう)さんの詩集『生きているものはいつも赤い』が受賞されました。
受賞者の高村さんは「自分が信じられるまで手を離さなかった言葉が、誰かにとって良いものとなることを願っています。長い間見守ってくださった皆様に心から感謝を申し上げる」と述べられました。
選考委員で詩人の蜂飼耳(はちかいみみ)さんは「この詩集は、今、詩に求められる最も大切なものが詰まっている。自分がつかんだ言葉の視点に錨(いかり)を下ろし、そこから流されないで、自分の感覚や視点を託せると思った言葉で切り取って書くというやり方を貫いている。そうしたことが、この一冊を重みのある輝かしいものにしている」と選評を述べられました。
また、市長は「この詩集は2005年から2023年に手掛けられた22篇の詩を収録した第一詩集とのことで、大変な御努力の19 年間だったのではないかと思います。この賞をさらなる飛躍への一歩として、今後も精力的に、詩作に取り組まれますよう、心から期待します」と激励しました。
なお、中原中也記念館では、5月25日(日曜日)まで「第30回中原中也賞 高村而葉氏『生きているものはいつも赤い』特別展示」を開催しています。
・中原中也記念館ウェブサイト<外部リンク>
市長(左)から賞状(山口萩焼の陶板)を受け取る高村さん(右)
詩集を手にする高村さん
文化交流課 Tel 083-934-2717