大切な命を守るために
○自殺について知っておきたいこと
□自殺は追い込まれた末の死である
多くの自殺は「自殺以外にこの苦しみを逃れる手段がない」と追い詰められ、孤立した状態で起こっています。孤立を防ぎ、まわりの人との‘絆’が保たれることが大切です。
□自殺は1つの原因ではなく、様々な原因が複雑に関係している
自殺にいたるプロセスには、様々な原因が複雑に関係しており、ひとつの原因だけで自殺が起こる事はまれです。また、そのプロセスの中では、うつ病などにかかっていることも多く、この場合は治療も必要となります。
□自殺を考えている人は何らかのサインを発している
自殺に気持ちが傾いている人は、「死ぬ以外に方法がない」という絶望感と、「でも生きたい」という望みの間を揺れ動き、まわりの人に何らかのサインを発していることが少なくありません。その人のことを知っているまわりの人が‘気づき’、身近な支援者につなぐことが大切です。
○一人ひとりができること
身近な人の様子が「いつもと違う」と気づいた時、何らかの気になるサインがある時、また、「死にたい」という気持ちを打ち明けられた時など、自殺のリスクが高いかもしれない人に対し、周囲の身近な一人ひとりにできることがあります。
1、気づく
自殺に傾いている人や悩んでいる人は「辛い」「もうだめだ」というようなことばを述べたり、感情が不安定になったり、急に周囲との関係を断つようになるなど、間接的、直接的なサインを発していることが少なくありません。周りの人たちがそのサインに気づくことが大事です。
また、うつ病になると、絶望感や自責感が強くなるため、自殺のリスクが高まります。自殺の直前はうつ病などこころの病気にかかっていることも多いことが分かっています。うつ病に早く気づき、治療することが大事です。
気づいたら、まずは声をかけ、時間をかけてじっくりと丁寧に話を聞きましょう。声をかけるときは、睡眠や食欲、ストレスなど、身体的な状況を聞く質問から話を始めると聞きやすく、答えやすくなります。
2.つなぐ
問題になっていること、解決が必要と思われることは何か、一緒に考えた上で、適切な相談機関等にサポートを得るよう提案しましょう。
3.見守る
こころや身体の健康状態について、あせらず温かく見守りましょう。また、相談機関等につながったからといって、すぐに悩みが解決できるとは限りません。その後も継続して関わり、相談に応じることを伝えましょう。