令和6年5月定例記者会見を開催しました

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令和6年5月定例記者会見を開催しました

5月市長記者会見の様子1

5月市長記者会見の様子2

日時

令和6年5月27日（月曜日）11時から12時

会場

山口総合支所第2委員会室

発表内容

山口市総合防災情報システム及び山口市防災ポータルの運用開始について

　本市では、本年5月14日から山口市総合防災情報システムの運用を開始いたしました。
　このシステムは、市民の皆様の生命と財産を守るため、災害時における災害対応の迅速化・効率化を目的に、市職員が使用するシステムでございます。年度当初から運用開始までに災害業務に従事する職員の操作研修を重ねてきたところであり、先週金曜日には山口市防災図上訓練を実施いたし、システムを用いた災害対応業務の流れを確認したところでございます。
　システムの導入前は、ファックスでの被害情報等の収集、複数サイトでの気象情報等の監視、手入力での時系列一覧表作成による情報共有を行っておりましたが、このシステムを導入することにより、情報収集、情報共有、意思決定、指示や対応、情報配信に至るまで一元的に管理することが可能となり、本市の災害対応がより迅速かつ効率的になるものでございます。
　機能の概要につきましては、お配りしている資料にて御確認いただけたらと存じます。
　あわせまして、市民向け防災情報サイト「山口市防災ポータル」を新設いたし、同じく5月14日から運用を開始しております。
　「山口市防災ポータル」では、各種ハザードマップや防災情報など、日ごろから確認しておくべき情報を掲載いたしております。また、災害時には、気象警報や地震情報のほか、先ほど御紹介いたしました山口市総合防災情報システムと連携いたし、本市が発令する高齢者等避難などの避難情報や避難所の開設情報など、適切な避難行動につながる情報をタイムリーに掲載いたします。
　「山口市防災ポータル」は、パソコンだけではなく、スマートフォンにも対応しております。天気予報も掲載しておりますので、ぜひお気軽に御活用ください。
　災害は、いつ、どこで起こるかわかりません。本市では避難指示や避難所開設などの防災情報につきましては、防災メールや防災行政無線などの複数の手段を用いて伝達することといたしておりますので、市民の皆様におかれましては、山口市の防災情報を取得する手段の一つに防災ポータルを加えていただき、災害時のみならず日頃から御活用いただくことで災害に備えていただきたいと考えております。
　本市といたしましては、今後も災害対策の強化を図りまして、市民の皆様の安全安心な暮らしの確保に努めてまいります。

史跡周防鋳銭司跡における新たな銭種「富寿神宝」の発見について

　本市では、平安時代の銭貨鋳造所の跡であります「史跡周防鋳銭司跡(すおうのじゅせんしあと)」において、平成29年度から山口大学と連携して、発掘調査を実施いたしております。
　こうした中、過年度調査で採取いたしました土の水洗選別作業により、新たな銭種｢富寿神宝(ふじゅしんぽう)｣を発見いたしましたので、御報告させていただきます。
　「富寿神宝」は、平安時代の弘仁9年（818年）から承和元年（834年）にかけて生産された銭貨でございます。本資料は表面に錆が付いておりますが、完全な形で、直径約 23mm、重量は約1.7ｇでございます。
　平成30年度に実施いたしました第4次調査の際に、銭貨(せんか)生産工房と考えられる大型建物の東側に存在する溝状遺構から金属片や木簡片等の微細な遺物を取り上げるため、土を採取いたしております。　
　その後、採取した土を持ち帰りまして、土の水洗選別作業を続けておりましたところ、「富寿神宝」1点を令和5年10月に発見いたしたものでございます。
　発見後は、実体顕微鏡やＸ線ＣＴ撮影による基礎的な調査を行った後、令和6年2月に専門家による調査を実施いたしました。その結果、今回発見された「富寿神宝」は、周防鋳銭司で生産された未使用の完成品である可能性が高いとの所見が得られたものでございます。
　その根拠は2点あるとのことでございます。
　1点目といたしましては、銭貨の外側にあるリング状の部分の側面を輪側といいますが、輪側が平坦で角が立つとともに摩耗がないことから、研磨仕上げを行った完成品で、かつ、未使用の状態と考えられることが挙げられております。
　2点目といたしましては、状況証拠的に周防鋳銭司よりも前に操業していた長門鋳銭使(ながとじゅせんし)で生産された「富寿神宝」が周防鋳銭司に持ち込まれたとは考えにくく、周防鋳銭司で鋳造した完成品が見つかったと考える方が自然であることが挙げられております。
　次に、今回の発見の意義でございます。
　周防鋳銭司では、文献史料により奈良時代から平安時代に生産された「皇朝十二銭(こうちょうじゅうにせん)」のうち、「富寿神宝」から「乾元大宝(けんげんたいほう)」まで、8種類の銭貨を生産していたことがわかっておりまして、これまで、史跡指定地の発掘調査において、「承和昌宝(じょうわしょうほう)」、「長年大宝(ちょうねんたいほう)」、「饒益神宝(にょうやくしんぽう)」の3種類の鋳損じ銭を発見いたしております。
　周防鋳銭司は、文献史料から天長2年（825年）に設置されたことがわかっておりますが、「富寿神宝」の発見により、史跡指定地のほぼ同一地点において、最長で天長2年（825年）から饒益神宝の生産の終期である貞観12年（870年）までの45年間に銭貨生産が行われていたことを考古資料で明らかにすることができました。このことが、今回の発見の意義でございます。
　今回新たに発見いたしました｢富寿神宝｣につきましては、広く皆様に実物を御覧いただきますよう、5月28日（火曜日）から9月1日（日曜日）までの期間、鋳銭司郷土館におきまして特別公開をいたします。ぜひ、多くの皆様にお越しいただき、1200年前となる平安時代の息吹を感じていただければと思っております。
　今後につきましては、引き続き、山口大学と連携いたし、史跡周防鋳銭司跡やその関連遺跡において発掘調査等を継続いたしまして、古代日本の銭貨生産を支えた周防鋳銭司の実態をさらに解明してまいりたいと考えております。

移動市長室（やまぐち21元気ミーティング）について

　私が地域へ出向きまして、地域の皆様と直接、市政や地域づくりについて語り合い、本市のまちづくりの方向性の共有と、市内21地域における協働による個性と安心の地域づくりの実現、そして、地域の皆様の声を市政運営に反映していくことを目的といたしまして、移動市長室を開催いたします。
　開催期間は、7月2日の阿東地域を皮切りに、11月までの約5か月間を予定いたしております。
　今回のやまぐち21元気ミーティングでは、市政報告といたしまして、令和6年度予算「ずっと安心元気山口」予算の主要事業と各地域に関連した事業につきまして御説明させていただきます。
　また、昨年度の移動市長室で議題となりました案件の対応状況についての御報告、そして、まちづくりや地域づくり、地域の身近な生活課題等の中から優先的に取り組む課題等についての懇談を予定いたしております。
　参加者につきましては、地域の優先課題につきまして議論を重ね、課題の共有、解決につなげていくため、地域のさまざまな意見や課題を集約されております地域づくり協議会等の役員等の皆様といたしております。
　市内21の各地域におかれましては、地域づくり協議会等を中心に、地域づくり交付金などを活用され、住み良い地域づくりに向けまして、地域課題の解決などに御尽力いただいておりますことから、各地域づくり協議会等の皆様と私が、直接語り合うことができますこの機会を通じまして、市政に対する忌憚のない御意見や御提案をお伺いし、また、個性ある21の地域づくりにつきましても、地域の皆様としっかり共有し、今後の市政運営に生かしてまいりたいと考えているところでございます。

ニューヨーク市マンハッタン『ジャパンパレード＆ストリートフェア2024』への参加による海外現地プロモーションの実施報告について

　現地時間の本年5月11日午後から、ニューヨーク市マンハッタンで開催されました『ジャパンパレード＆ストリートフェア2024』に、私も含め、本市から総勢19名で参加いたし、現地プロモーションを実施いたしました。
　当日は、前日までの雨模様の天候から一転、雲一つない晴天に恵まれ、主催者発表によりますと、パレードには本市を含め、99団体、約2,500名が参加され、沿道では約5万人もの多くの人出で賑わいました。
　開会式では、第1回開催から通じて、日本の自治体としては本市が初めての参加ということで、在ニューヨーク日本国総領事館からの御配慮もございまして、私が本市訪問団を代表して御挨拶をさせていただく機会をいただき、英語でスピーチをさせていただきました。
　本年は、日米観光交流年を開始する節目の年としての位置づけのもと、コロナ禍で落ち込んだ相互観光往来の回復・拡大に向けたＰＲの場としても企画をされておりまして、パレードでは、スターウォーズや鬼滅の刃など、有名なキャラクターを用いたフロート（山車）が披露されておりました。
　そのような中、本市のフロートでは、紅提灯の飾り付けに加え、お囃子の音色が日本の伝統の祭りの情景を彷彿させる、山口祇園囃子保存会の皆様による大変すばらしい生演奏を披露いただきました。
　フロートに同乗しておりました私も、沿道の皆様が、パレードの最初から最後まで声援を送っていただく光景を目の当たりにし、感動いたしたころでございまして、「西の京」と呼ばれる歴史と伝統文化を有する山口の魅力を多くのニューヨーク市民に伝えるとともに、さまざまなメディアやインフルエンサーの皆様に取り上げていただいたところでございます。
　さらに、パレードのストリート沿道などを走行するＬＥＤ車における本市のＰＲ広告や、沿道に設置されたバリケードへバナー広告を掲示するなど、パレード会場のさまざまな場面で本市のプロモーションを目にする機会を設けまして、アピールいたしたところでございます。
　また、パレード会場そばで開催されました日本の食や体験、観光情報を発信するストリートフェアでは、山口市テントブースを設置いたしまして、本市の観光スポットの紹介をはじめ、ニューヨーク・タイムズ紙でも高く評価をいただいた人の温かみ、おもてなしの魅力を表現するため、来場者との「交流」を意識いたしまして、簡単な英語で声をおかけしながら、山口祇園祭振興会から御提供をいただいた手ぬぐいをハチマキとして頭に巻いてあげるなどのノベルティ配布を行い、一緒に写真を撮らせていただきながら、対面交流を大切にしたところでございます。
　こうした交流を通じまして、観光客が多く押し寄せ、集中する都市部などの観光地とは一味違った地方都市だからこそ重視したい、人と人とのふれあいに加え、歴史と文化に彩られた自然豊かで居心地の良いまちなみなどの魅力の発信に努めたところでございます。
　実際に、テントブースを訪れた方々からは、「山口市を初めて知って、行ってみたいと思った。」、「ニューヨーク・タイムズ紙の発表で、山口市は知っていたが、ぜひ訪れてみたい候補地の一つになった。」などの、大変うれしい、有難いお声をたくさんいただきまして、ニューヨーク・タイムズ紙の発表にて光を当てていただいた本市の魅力、さらには訪れるべき日本の地方都市の価値を広く国内外に発信することができた機会になったものと受け止めているところでございます。
　また、ジャパンパレードの前日には、ニューヨーク・タイムズ本社を訪問させていただきまして、観光専門の編集者の方々と面会いたし、社内でも大変厳しい競争の中から52の都市を選んでいる現場の声を伺いました。
　私からは、これからも日本の地方都市、中小都市への眼差しを持ち続けてほしい、という気持ちをお伝えしたところでございます。
　このような、この度のジャパンパレード＆ストリートフェア2024への参加並びに関係機関への訪問に当たりまして、現地での事前準備や関係者との調整など、一般財団法人自治体国際化協会（通称：クレア）ニューヨーク事務所やニューヨーク山口県人会の皆様をはじめ、さまざまな関係団体の皆様の多大なる御理解とお力添えをいただきましたこと、そして、この度のＰＲに当たりましては、本市に伝わる祭事を継承してこられました山口祇園囃子保存会並びに山口祇園祭振興会の皆様をはじめとする、本市のまちづくりや歴史・文化の魅力を長きにわたり引き継いでこられました関係者の皆様の多大なる御理解とお力添えの賜物が、こうした形で世界を舞台に発信できたものと認識いたしておりまして、この場をお借りして、心より感謝を申し上げます。
　改めまして、今後も、この度のニューヨーク・タイムズ紙の発表を一つの大きな契機と捉えまして、今回のジャパンパレード参画により、本市に注がれるさらなる期待感を、まちづくりの原動力にしっかりとつなげてまいりますとともに、クレイグ・モドさんも言われておりました「山口市民の優しさ」、「地方都市としての魅力」も含めた本市の個性とおもてなしの質を高めてまいりたいと考えております。
　さらに、来年は大阪・関西万博が開幕いたし、2026年には大型観光キャンペーン「デスティネーションキャンペーン」の山口県開催が決定いたしております。
　ますます、本市に関心が高まる機会が増える中、この度、得られました関係性なども活用いたしながら、国内外の皆様に、持続的に本市並びに山口県を訪れていただけますよう、しっかりとプロモーションや受け皿の環境づくりを行ってまいりたいと考えております。