令和5年7月20日(木曜日)11時から12時
山口総合支所 第2委員会室
まずもって、このたびの大雨により、お亡くなりになられた方に対し心から哀悼の意を表しますとともに、本市をはじめ県内外で被災されました方々に、心からお見舞いを申し上げます。
このたびの大雨への本市の対応状況を申し上げます。
下関地方気象台が早くから線状降水帯発生の可能性に言及されていた中で、本市におきまして、6月30日夕方のまとまった降雨で仁保川の水位が氾濫危険水位に到達したことから、20時30分に水防本部を設置いたしました。その後も仁保川の水位上昇が見込まれたため、21時50分に大内地域と仁保地域の深野地区に「警戒レベル3高齢者等避難」を発令いたしました。その後、22時35分に土砂災害警戒情報が山口市に発表されましたことから、災害対策本部体制に格上げし、23時40分に市内全域の土砂災害警戒区域を対象に、「警戒レベル4避難指示」を発令したところでございます。
翌7月1日の未明には、懸念されていた線状降水帯が発生し、市内の広範囲に大雨が降り続き、各所で被害が発生いたしました。お手元にお配りいたしております資料の1ページを御覧ください。主な被害状況等といたしまして、人的被害は、死者1名、住家被害は、大内、平川、大歳、小郡地域を中心に、市内各所あわせて、床上・床下浸水が623件となっております。
また、農林業関係の被害につきましては、水稲被害や農地・農業用施設など、被害額はあわせて約1億4,983万円でございます。次に、港湾関係の被害として、漂着した流木等の処分費が100万円、公共土木施設等の被害につきましては、河川や道路など、被害額は約14億3千万円に上っておりまして、その他、市のスポーツ施設の被害といたしまして、椹野川運動公園の冠水等、3施設で被害が発生いたしております。
なお、7月8日から9日、そして翌10日にも、大雨・洪水警報や土砂災害警戒情報が発表され、本市ではそれぞれ災害対策本部を設置いたしまして、対応にあたったところでございます。本市におきましては農地や河川などの被害が発生した状況でございます。
次に、このたびの災害関連の予算対応につきましては、まずは現計予算で対応いたしまして、予算額に不足が生じ緊急の予算執行が必要なもの、あるいは災害救助法の適用により補正予算で対応すべきものにつきまして、地方自治法第179条第1項の規定に基づきまして、7月3日付けで総額2億7,791万4,000円の一般会計補正予算の専決処分を行ったところでございます。
補正予算の内容でございますが、まず、「被災者救済対策」につきましては、災害ボランティアセンター運営事業をはじめ、災害救助関係経費として1,430万円を計上するとともに、災害見舞金支給事業 600万円を計上いたし、総額で2,030万円を、「生活支援関係」といたしまして、防疫作業や災害ごみの処理、被災者用の住宅にかかる経費として、総額1,094万8,000円を計上いたしております。また、「災害復旧関係」といたしまして、土木施設、その他の施設の復旧に要する経費として、総額2億4,666万6,000円を計上いたしております。
なお、この度の災害につきましては、6月30日付けで災害救助法が適用されておりまして、災害救助法の対象となる応急的な救助にかかる経費につきましては、制度に基づき、国、県からの支援があり、県を通じまして歳入することとなります。
また、7月8日の大雨の際の排水ポンプ車の追加配備や土嚢の購入経費(600万円)につきましては、予備費で対応いたしております。
以上が、この度の大雨災害復旧関連に伴う補正予算の概要でございます。今後、被害状況や災害復旧工事などの工法等を精査する中で対応が必要な経費につきましては、9月議会以降におきましても補正予算で対応してまいりたいと考えております。
現在、このたびの大雨災害について、継続して被害の把握に努めるとともに、被災された皆様に一日も早く元の生活に戻っていただくことができますよう、全力を挙げて、復旧に向けて取り組んでいるところでございます。
令和4年6月から進めておりました湯田地域交流センターの増改築工事が、6月30日に完了し、8月1日から増改築部分を含めた全館の供用を開始いたします。
湯田地域交流センターにつきましては、以前から施設が狭隘で使いにくいという御意見や、災害時の避難所としての機能が十分では無いなどの御意見をいただいていたところでございます。こうした課題を踏まえ、施設の機能強化や利便性の向上を図るため、増改築工事を行うことといたしたところでございます。
また、整備にあたりましては、(仮称)湯田温泉パークをはじめとした湯田温泉の街並みのデザインと調和し、連続性のある空間となりますよう、外観に配慮した整備を行っております。
増改築工事の主な内容といたしまして、1階には、新たに会議室を新設するとともに、掲示コーナーや図書コーナーを含めた開放的で明るいエントランスホールを設けまして、情報発信や交流の場としての機能を充実いたしましたほか、センター事務室の拡張を行いまして、相談体制の充実を図ったところでございます。また、バリアフリートイレや車椅子使用者用駐車場を設置いたし、ユニバーサルデザインに配慮した施設整備を行っております。
2階には、新たに、間仕切りが可能な会議室を設けまして、大人数が集まる会議などの開催が可能となりますほか、和室や小会議室、トイレの改修を行ったところでございます。また、シャワー室を設置いたしまして、避難所としての機能を強化いたしております。
さらに、この度の増改築における照明のLED化や空調設備の改修による施設の省エネルギー化に加えまして、令和5年度中に、太陽光発電設備の設置を予定いたしておりまして、これにより環境にやさしい再生可能エネルギーの利活用も可能となるところでございます。
今回の増改築により、延床面積は、552.53平方メートル増え、1,413.87平方メートルとなっておりまして、総事業費は、約5億5,400万円でございます。
工事期間中は、地域の皆様に大変、御不便をおかけいたしたところでございますが、延べ床面積が約1.7倍となり、ゆったりと、そして、多目的にお使いいただける施設になったものと考えております。
本市といたしましては、この度の増改築による施設の機能強化や利便性の向上によりまして、より多くの皆様に湯田地域交流センターを御利用いただき、地域活動がさらに活発となることで、湯田地域のさらなる活性化に繋がるものと期待いたしております。
本事業は五重塔の約70年ぶりの檜皮葺屋根の全面改修の機会を活かし、五重塔が持つ歴史的な価値を市内外に発信し、観光地としての認知度及び魅力度の向上を図り、五重塔がある香山公園への更なる観光誘客を促進することを目的に実施するものでございます。
今回は、香山公園におきまして、6つの事業を実施することといたしておりまして、その事業の共通テーマを【「大内文化」を花開かせた大内氏のマインドが空間アートに昇華する】といたしております。
このテーマのもと、五重塔を建立した「大内氏」の様々な文化を柔軟に取り入れてきたマインドを、従来の慣習にとらわれず、自ら進んで革新(イノベーション)に挑む進取の気風と捉えまして、多種多様なカラーで表した空間アートとして、幻想的な空間演出を行うものでございます。
具体的な内容につきまして、まず、覆屋(おおいや)外壁シートデザイン演出でございます。これは、現在、改修のために五重塔を覆っております外壁シートに、五重塔を白抜きで表現することで、五重塔の存在を感じながら、訪れた人が自由に外壁シートの裏側にある五重塔をイメージしていただけるデザインとしておりまして、8月初旬からの設置を予定いたしております。
次に、空間演出の昼でございます。これは、和歌に長けた一族であった大内氏の想いを感じられるよう、たくさんの和歌が連なったカーテンを設置した「和歌ゾーン」と、キリスト教の布教を受け入れた大内氏の柔軟性を、アクリル板を使った作品として表現した「ステンドグラスゾーン」を香山公園内の通路に配置いたすものでございます。こちらは、12月末から令和6年2月末の設置を予定いたしております。
また、空間演出の夜は、覆屋(おおいや)外壁シートや「和歌ゾーン」、「ステンドグラスゾーン」を一体的に演出するプロジェクションマッピングによる幻想的な空間演出を行うものでございます。こちらは、令和6年1月中旬の2週間に渡りまして実施する予定といたしております。
この他にも、大内氏の家紋をモチーフにした色鮮やかな「花のモニュメント」の設置や、親しみやすいイラストを交えて大内氏の歴史を学ぶことができる「時代絵巻」の仮囲いへの設置、五重塔をモチーフとした「切り絵作品」が出来上がるまでの過程を描いたAR動画の視聴など、五重塔をテーマとした空間演出や体験の提供を行います。
本市といたしましては、今回の70年ぶりの檜皮葺屋根の全面改修を、五重塔の持つ歴史的価値や魅力を市内外に再発信する絶好の機会と捉えまして、観光誘客事業を実施することといたしております。
令和5年6月30日からの大雨災害の被害状況と予算対応について [PDFファイル/219KB]
6月30日からの降雨の状況や市の体制等について [PDFファイル/305KB]
湯田地域交流センター増改築工事の完了について [PDFファイル/323KB]
湯田地域交流センター増改築工事の完了について(参考資料) [PDFファイル/625KB]