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老人福祉施設に係る要望と回答(山口県老人福祉施設協議会からの提出)

印刷ページ表示更新日:2020年12月3日更新 <外部リンク>

山口県老人福祉施設協議会からの要望
令和2年11月27日提出

要望

 

 老人福祉施設は、高齢化の進展により要介護者や認知症高齢者等が増加する状況の中で、市町行政との密接な連携の下、地域の振興及び福祉の充実に積極的な役割を果たしております。
 つきましては、老人福祉施設に係る次の項目について要望いたしますので、格別の御理解と御支援をお願いします。

【老人福祉施設全般】
1 高齢者介護施設における新型コロナウイルス感染症対策について
 (1) 施設での集団感染防止策として、福祉施設・介護事業所の職員に対して、優先的な「PCR検査」体制の構築をお願いしたい。

 (2) 福祉施設・事業所において、感染者・濃厚接触者が発生した場合に備えて、各施設・事業所で用意しにくい「防護服(ガウン、キャップ等)」について、備蓄していただきたい。

 (3) 厚生労働省より、令和2年6月30日付け事務連絡「高齢者施設における新型コロナウイルス感染症発生に備えた対応等について」が都道府県等に対して発出されましたが、福祉施設・介護事業所において感染者等が発生した場合に備えた人材確保や感染者発生時の対応等について、市・町としての考え方を示していただきたい。

 (4) 県内の市町の中には、新型コロナウイルス感染症対策として事業所単位で一定額の支援金を交付し、マスクや消毒液等の購入に充てているところもある。県内全ての市町においても同等の支援をお願いしたい。

2 福祉人材確保対策について
 (1) 厚生労働省「労働経済動向調査」(令和2年2月)における正社員等労働者の過不足状況の結果によると、「やや不足・おおいに不足」と感じている事業所の割合は、全産業では42%であるが、医療・福祉分野は54%となっており、業種別の中で3番目に高い割合を占めている。また、都道府県別の2025年に向けた介護人材にかかる需給推計では、山口県は充足率88.6%で3,780人の需給ギャップが生じると予測されている。
 こうした状況を中長期的に改善していくために、介護職員を含む福祉人材の確保、定着、育成にかかる方策について、「福祉人材確保計画」を圏域ごとの地域性を考慮して策定し、積極的かつ継続的に取り組めるようなしくみを構築していただきたい。

 (2) 福祉関係の専門学校は、生徒の減少で卒業者は少なく、かつ県外への流出も多い。また、介護現場に対する負のイメージを一新し、仕事の魅力ややりがいを発信していくためには、学童・生徒及び教員に介護職員の仕事内容、専門性や魅力など、具体的な現場の声を伝えるとともに、小中学校への福祉教育や高校生の体験学習、教員との協議の場などの更なる充実が必要である。
 本会では、平成28年度に実施した職員給与実態調査にて、女性においては全産業と比較して給与が上回っているという給与実態の調査結果が出るなど実情に即したプラスのイメージアップを広められるように事業展開している。しかしながら、本会や各施設での個別な取組では限界があり、進路指導で誤ったイメージによる指導が行われないよう、学校・行政・社会福祉法人等の官民が一体となって進めていけるような取組を今後も本会と協議し、対策を講じていただきたい。
 また、福祉人材の確保を目的として、都市からの移住を視野に入れた家賃補助、空き家の活用等、山口県独自施策を検討していただきたい。

3 地域事情に応じた施設整備の推進とサービスの質の担保について
 サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームが急増しているが、極端な施設増加が、利用者の奪い合いを招き、身体状況等に応じた適切なサービス利用につながらない等の問題が生じ、介護の質を低下させることにもつながっている。
 地域事情に応じて、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム等の総量規制を行うなど、適切な施設整備を進めていただきたい。

【養護老人ホーム】
1 措置費について
 措置費に係る消費税分の見直しはあったが、平成17年度から措置費(事務費、生活費)の見直しがなく、平成30年度全国調査(214施設)によると、経常増減差額比率の全国平均は▲4.9%で、赤字施設の割合も46.2%となっており、非常に厳しい運営状況が続いている。このような状況では、今後の人材確保に展望を持つことはできない。
 人事院勧告等の一定の基準に基づいて、一般事務費(主として人件費)の改定や考え方を国県が市町に示していただきたい。また、年度ごとに措置費支弁基準額の見直しをお願いしたい。

2 障害者等加算の算定要件について
 障害者等加算の支給要件は、4月1日時点での介護度を持たない障害者の割合(30%以上)で決定されている。しかし、支援内容は、障害の程度により様々で、障害者の割合だけで、支援の量を図ることはできない。また、介護度をもつ障害者は、通常の介護に加え障害特性に応じた支援が必要で、現在の加算要件をベースとした限られた人員配置では支援が充分できない。
 障害者等加算の算定要件について、障害者の割合によらず加算されるよう、加算の算定要件を変更していただきたい。また、介護度をもつ障害者を、障害者等加算の加算対象として加えていただきたい。

3 大規模改修について
 養護老人ホームの入所者は、身寄りがなく、無年金等の経済的困窮にある高齢者はもとより、精神疾患をはじめとする様々な障害やDV等の被害から避難を余儀なくされるなどの多様な生活課題を抱えた高齢者が少なくない。このような中で、個人の尊厳を確保していくことや新型コロナウイルス対策として、二人部屋の解消を視野にいれたハード面の整備も必要となっているが、平成30年度の全国調査(214施設)によると約74%の施設においては、社会福祉充実残額がマイナスになっている状況で、大規模修繕、施設建て替えの施設整備補助金が撤廃され、再生が困難な状況である。
 多様な利用者の生活を支援できるよう、大規模改修に対する補助制度の創設をお願いしたい。

4 介護職員処遇改善加算の適用について
 介護保険適用外の養護老人ホームの支援員は、介護職員と同様の仕事をしているのに同加算の適用がないので、それに相当する支援を講じられるようお願いしたい。

5 適正な入所措置の実施について
 市町により措置事務に対する温度差があり、依然として措置控えがある。市町による不均衡をなくすために、県において市町の措置担当者研修を実施するなど、市町に対する指導をお願いしたい。

6 職員配置基準の見直しについて
 高齢化に伴う重介護度対応、認知症対応をはじめ、障害や精神疾患等を持つ入所者が増加しており、従来の支援に留まらず、専門的なサービスの提供を行う必要性が高まっている。現状のままでは、日々高まり複雑化するニーズに対応していくには、極めて厳しい状況にあるので、実情に合わせた手厚い職員配置基準にしていただきたい。

【特別養護老人ホーム】
1 多床室整備における補助金の復活について
 措置制度時代や介護保険制度を見据えて建設された特別養護老人ホームについては、老朽化が進み、順次建替えや改修の検討がされているが、プライバシーや入居者の生活の質の担保等の観点から、国はユニット型特養の建替えや改修を推進しており、多床室による建替えを認めてはいるものの、施設整備補助金の支援はなされていない。
 一方、高齢者の生活を支える年金については、前世代に比べ支給額が減少傾向にあり、ユニット型特養への低所得者の入所は困難な状況にある。
 そのような状況の中、多床室のニーズは依然として高く、それは今後も同様であると予測されるので、多床室の建替え等に対する整備補助を強くお願いしたい。

2 介護財源の確保と適正な介護報酬・単価設定について
 特別養護老人ホーム等老人福祉施設は、高齢者の生活を支えるために必要な人や設備等の総合力を有しており、「地域包括ケア」の推進にあたって、その果たす役割は大きい。
 そのような中で、施設経営の根幹を揺るがしかねない介護報酬の過度な給付抑制を行わないように国に働きかけていただきたい。
 むしろ、平成30年度改定後の様々な形態の施設の現状を把握され、特別養護老人ホームの33.8%が赤字(全国老施協「平成30年度収支状況等調査報告書」)となっている状況を踏まえ、介護報酬の引き上げを国に働きかけていただきたい。

3 食費の社会情勢に見合った単価設定について
 食費については、消費税増税に対応して1,392円に引き上げられたが、平成29年度介護事業経営実態調査によると、食費は日額1,436円であることから、社会情勢・実態に合わせて1,440円にしていただきたい。

4 介護職員処遇改善加算の本体報酬への盛り込み、特定処遇改善加算の配分基準の見直しについて
 令和元年10月より介護報酬における介護職員処遇改善加算に特定処遇改善加算が追加されたが、介護現場は様々な職種がチームとして利用者の支援にあたっており、この度の特定処遇改善加算も含め介護職員処遇改善加算の制度は、基本的に職員全体に公平に配分される加算となっていない為、職員間に不合理な待遇格差が生じている。
 この待遇の格差は、介護業界で働く職員の確保・定着にも大きな支障をきたすことが考えられるので、施設職員全体の処遇改善につながる仕組みとなるよう改め、また介護報酬本体へ盛り込むよう国に求めていただきたい。
 また、複雑な制度により加算請求事務が過大となっていることから、書類の削減等の事務の簡素化という観点からも、制度の見直しを検討していただきたい。

5 人員配置基準の見直しや加算の創設について
 看護・介護職員の配置基準は3:1であるが、利用者の重度化が進んでいることから、介護現場では、法定人員より手厚い人員配置を行っている施設は少なくないが、そのことが経営状況の悪化に影響を及ぼしている。
 また、利用者の医療ニーズが高まっているものの、看護職の配置基準が現状に合っていないことや嘱託医の報酬が限られていることから、利用者の状況に応じた充分な支援体制を取ることが困難である。
 こうした状況を鑑み、法定人員より手厚い配置をしている施設に対しては、それに応じた加算の創設を検討していただきたい。

6 利用者の入所条件について
 平成27年4月より特別養護老人ホームへの入所要件が、基本的に「要介護3以上」となったことにより、利用者や介護職員の努力により要介護度が改善し、要介護1や2になると退所しなければならない。また新規入所者も重度の方々ばかりとなり、コミュニケーションが取れない寝たきりの人といった重度の人が多くなり、現場で働く介護職員の介護の手間は増大し、現場の介護職員の意欲低下につながり、離職者を生む大きな要因となっている。
 これらの現場の実情を理解いただき、特養の入所要件を一律「要介護3以上」とするのではなく、例えば入所者の「平均介護度3.5以上」というように柔軟に対応できるよう変更していただきたい。それにより、平均介護度3.5未満は減算、4以上は加算といった制度になれば、現場の意欲は上がるのではないかと思う。

7 サービス提供体制強化加算における介護福祉士比率の算出について
 本加算においては、介護職員に占める介護福祉士の比率が「実配置数」に対して求められており、重度化が進んでいる利用者の安全・安心を確保するとともに、介護職員の負担軽減を図るために、無資格者を含む職員の配置を厚くすればするほど、比率が下がり加算対象外になってしまうことが懸念され、結果として施設経営に大きな打撃を受けることになる。
 また、介護福祉士については、受験資格が平成28年度より大幅に変更され、これまでの実務経験3年という要件に加えて、介護職員実務者研修の受講等が必要とされたことから、働きながら資格を取得することが大変難しくなっている。ちなみに、平成29年度介護福祉士の受験者数、合格者数ともに前年度の約半数となっており、この受験資格変更の影響は大きい。このため、折からの介護人材不足に加え、今後ますます事業所にとって介護福祉士の採用、確保が難しくなってくることが予想される。
 ついては、以上の事情御賢察のうえ、「サービス提供体制強化加算」の要件である介護福祉士の比率は、「配置基準数」に対しての算出とされるよう要望する。

8 日常生活継続支援加算の要件緩和について
 日常生活継続支援加算おいて、新規入所者の割合ではなく、在籍者の割合へ変更をお願いしたい。また、特例入所者については、割合の算出から除外していただきたい。

【軽費老人ホーム】
1 「事務費補助金制度」の存続について
 事務費補助金は軽費老人ホームの経営上必要不可欠な財源であることから、事務費補助金の本体部分及び各種の加算金について減額することなく制度を存続していただきたい。
 また、令和元年10月の消費税率10%への引上げ後の補助金については、今後も引き続き、施設の負担額を十分に精査した上で、適正な補助金の支給をお願いしたい。

2 老朽化にともなう修繕費の補助、重度化対応にともなう施設整備補助
 県内施設の半数は築20年以上経過しており、今後の老朽化が見込まれるため施設修繕に関する財源措置を講じていただきたい。また、入所者の高齢化・重度化が進む中で、安全な支援を行うための施設整備に関しても、財源措置を講じていただきたい。

3 軽費老人ホームに勤務する「介護職員の処遇改善加算」について
 軽費老人ホームに勤務する介護職員は、他の介護保険適用施設の介護職員と同一職種でありながら、処遇改善加算が無いので、必要な財源措置を講じていただきたい。

4 「宿直専門員雇上加算」及び「宿直業務の委託」について
 軽費老人ホームの補助金に係る加算として、軽費老人ホームA型にはこの加算があるため、同様に加算のないケアハウスも対象にしていただきたい。
 また、働き方改革関連法が施行され、職員の適切な労働管理を実施するため、宿直業務のシルバー人材センター等への委託について、検討していただきたい。

5 一般型ケアハウスの介護職員の配置基準を軽費老人ホームA型と同程度への見直し及び事務費基準額の改善
 軽費老人ホームは、介護保険法上「居宅」に位置付けられており、入居者が介護を必要とするときは、介護保険を利用して外部サービスを利用して生活できるが、外部サービスを利用される入居者が年々増えている。さらに、入居者の高齢化やADLの低下等により、外部サービス以外で施設職員が対応する個別支援が増えてきていることやニーズが多様化しているのが実情である。
 一般ケアハウスにおいて、現行の介護職員の配置基準では十分な対応が出来ないことが問題である。こうした状況を踏まえ、一般型ケアハウスの介護職員の配置基準を軽費老人ホームA型の配置基準と同程度に見直し、事務費基準額の改善をお願いしたい。

6 認知度を高める積極的な広報活動について
 待機者の減少の一因として認知度の低さがあげられる。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅との差別化を図り、軽費老人ホーム・ケアハウスの必要性について明確に打ち出していくことが必要である。行政・地域・関係機関など官民一体の取組を本会とともに行っていただきたい。

回答 

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