山口県保険医協会からの要望
令和2年5月29日提出
地域医療の第一線を担う医療機関では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の渦中において、感染するリスクを抱えながら懸命に地域住民の健康を守るために奮闘しています。その中でも、不足する医療用マスクや手指消毒剤などの確保、院内や医療器具、備品などの入念な消毒など、院内感染防止のために通常以上の費用がかさんでいます。また、来院する患者数を抑制して感染防止を図っている医療機関もあります。一方で、緊急事態宣言に伴う休業、外出自粛の要請を受けた国民は、収入減や生業の縮小による生活の困難を余儀なくされています。
特に緊急事態宣言が出された4月以降は、受診抑制が拡大して医院経営に大きな影響が出ています。当会が実施した「新型コロナウイルス感染拡大に関する実態調査」では、4月診療分で約9割の医療機関が、前年同時期と比べ外来患者が減ったことが示されました。その減少率も78.0%が「3割程度減」、16.0%が「5割程度減」、4.6%が「7割程度減」となっており、保険診療収入が大きく減少しています。(5/26中間集計)
医療機関のように、その公共性の観点から一般的には休業要請の対象とされない業種では、感染リスクと隣り合わせで事業を継続していますが、このままでは医院経営を脅かし、地域における第一線医療の提供体制の崩壊につながりかねない状況です。
つきましては、地域医療を支え、守るためにも、下記の事項を要請するものです。
1. 新型コロナウイルス感染症に伴う休診や、受診者数の減少等への損失補填など、医療機関に対する財政的支援を行うこと。もしくは、すでに事業者向けの給付・支援・補助等の支援制度があれば、医療機関も対象に含めること。
1. 前年同月と比較して、診療報酬支払額が減収となった医療機関に対し、減収分を補填するよう国に対し要請すること。
文書による回答はしておりません。