山口商工会議所からの要望
令和2年3月17日提出
2月上旬頃より新型コロナウイルスに起因する経済活動への影響が現実のものとなり、山口商工会議所へは域内事業者より悲鳴ともとれる多くの『声』が届いている。早々に「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」を所内に設置し、緊急の経営相談を開始いたしたところである。
その後、感染を早い段階で封じ込めるという政府の方針を受け、本市においても「イベントの中止・縮小・延期」「学校一斉休校」などの緊急措置が執られた。結果、「観光客の大幅減少」「予約キャンセルによる売上、客数の大幅減少」「学校給食の休止による突然の減収」「市内大学・学校の卒業式中止に伴うサービス業の機会喪失」「中国製品の入荷の遅れによる工場遅延」など幅広い業界に影響が出始めた。市内事業所の11.2%を占める宿泊業、飲食サービス業をはじめ、卸売業・小売業などあらゆる業種の中小企業・小規模事業者に経営の深刻な影響が及んでいるところである。
これらの状況を踏まえ、3月中旬に「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経営への影響緊急調査」を会員事業所約500社へ実施いたしており、中間集計として250社の結果を取りまとめた。その結果、現段階で約7割の事業者が経営に影響(懸念含む)があると回答。また、約9割の事業所が今後も影響(懸念含む)がでる可能性があるとの結果が判明した。
既に山口市においては『中小企業経営環境対策資金』の保証承諾の早期対応や、『中小企業季節資金融資』の取扱期間の延長など、逐次対応を頂いているが、この度の調査結果を踏まえ、下記の通り、中小企業・小規模事業者の窮状をご賢察いただき、中小企業支援策のこれまで以上の拡充、並びに経済活性化策の強化について、格段のご配慮をお願い申し上げる。
記
1) 緊急経済対策
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急制限措置に伴い、経営に強いマイナス影響を受けている中小企業・小規模事業者を対象に、次の緊急経済対策の実施。
・市税の納付等の期限の延長措置(延滞税等の減免)
・市の総合窓口の設置
・今回の影響により失業に至った者への支援(生活支援券の配付)や企業への融資支援拡大(利子補給及びコロナ対応の融資制度創設)
2) 消費喚起対策
新型コロナウイルスの影響により、冷え込んだ域内消費を呼び戻す為の段階的な消費喚起対策が必要と考える。積極的な消費喚起対策を打ち出す事で、消費意欲の拡大を図っていただきたい。(収束後が重要)
・公共施設の一定期間無料開放と催事企画(4月に収束すれば、ゴールデンウィークに)
・消費助け合い運動の推進(自家食から外食利用等を促進・外郎等土産産品等の市内消費・花の利用促進など)
・期限付き商品券の配布(プレミアム商品券ではなく)
・観光客誘致促進のための観光キャンペーンの実施
・市民のイベント等の参加促進支援(7市町の小学生親子対象レノファ観戦とサッカー教室など)
3) 将来対策
今回の感染拡大とともにテレワークや時差出勤、インバウンドの激減、イベント自粛、出張などの移動自粛、自家食など消費構造の激変が短期間に発生、期せずして大きな社会実験をしている様な経済情勢である。現在はこの状況が強いられているというマイナスイメージが強いものの、収束後に振り返って見れば、デメリットだけではなくメリットを感じる部分も見えてくると考えられ、足腰の強い市内経済を構築する良い機会と考える。例えばテレワークや時差出勤の促進など、働きやすい健康都市としての魅力が増加し、企業誘致を促進する本市の魅力アップにもつながると考えられる。今後の消費構造や事業モデルの変化を地方都市で取り込むという産業振興策を長期的な視点で進めて頂きたい。
・テレワーク事業所の誘致促進
・テレワークを促進する事業所への助成金の創出
・時差出勤に資するフレックスタイム制度など柔軟な働き方の導入促進
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