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木造三重小塔

印刷用ページを表示する掲載日:2021年7月12日更新 <外部リンク>
もくぞうさんじゅうしょうとう
木造三重小塔

種別

有形文化財(美術工芸品)

美術工芸品の分類

工芸品

指定区分(1)

その他

指定区分(2)

重要美術品

指定年月日

昭和13年9月5日

地域

大殿

所在地

山口市春日町5番1号 山口市歴史民俗資料館

概要

説明

 総高44.5cm、台底方14cm、台高5cm、九輪15cmの小塔置物である。軒や軸部などに組物もなく、正式な建築手法は見られない。柱には朱を、壁面には白堊(はくあ)を塗ってあった形跡が認められる。相輪には水煙や竜車などはない。もとは頂上から四条の鎖を屋蓋の四隅に張ってあったらしいが今は全部失われている。
 基壇底面に「応永十三歳次丙戌 作者伯耆十万寺密乘坊慶海生年六十八歳 奉造三重塔婆一基 周防州上野寺南防三位阿闍梨積年四十七覚順閏六月一日鬼宿木曜」の5行の墨書があり、応永13年(1406)に伯耆国十万寺の慶海という僧がこれを作ったことが知られる。
 上野寺は、玖珂郡余田村にあった古義真言宗の古刹で、上野寺と下野寺があり、上野寺には12の支院、下野寺には6の支院があって盛観を呈していたといわれるが、現在は、下野寺の支院福楽坊が存しているのみである。この小塔は、もと上野寺の二支院南之坊にあったものが、その後福楽坊へ移り伝わっていたものである。